■次はエジプトだ
なんとエジプト文明コーナーが始まります。
これまた例によって自然史ではなく文明史じゃないの、という感じですが、
前にも書いたように、スミソニアンは総合博物館を持たないので、
場所がなくてここに回されたんじゃないかなあ…。
これをゼロ戦の横に展示するわけにもいかんでしょうし。
この点、絶対神(YHWH)の管轄外である日本は気楽なもので、
神が創ろうが人の力が介入しようが全く無関心のまま(笑)
上野の科学博物館に、ゼロ戦もミイラも恐竜も大集合なんですけどね。
(上野の国立科学博物館の英語表記はNational
Museum of Nature and
Science。
絶対神支配下のキリスト教圏の連中(ユダヤ教、イスラム教含む)から見たら、
恐山のイタコとゾンビ軍団くらい違う、という二つ事象を科学の名の下に合体させてます)
余談ですが、Sienceは一般に科学と翻訳され、誰も疑問に思ってないようですが、
外来語訳の始祖と言っていい福沢諭吉は、これを最初“実学”と訳してました。
意外にこれは核心を突いており、科学という意味のよくわからない日本語よりは、
実質学、といった日本語のほうが本来はその意味に近いでしょう。
ただし、ロンドンの大英博物館から比べると寂しい限り、という内容で、
特に見るべきものは無いと思います。
まあ、例の牛のミイラがあったり…
ネコのミイラがあったりしますが(笑)。
ちなみに奥の壁に貼られてるのはネコのミイラの内部写真らしいです。
さて、三叉路に戻って、どうやらメインの展示らしいこれ、
骨に刻まれたもの、のコーナーを見て行きましょう。
これはアメリカに初めてやってきたイギリス人入植者たちの集落を発掘し、
そこから出てきた遺骨から、当時の生活や歴史を読み解こう、という展示。
最初に置かれてるこれは出土した骨をスキャンして、3Dプリンターで出力、
それを元に肉付けを行なって再現した当時の人物の胸像です。
14歳ぐらいと推測される少女で、飢餓の冬と呼ばれた時期に
死亡したもの、と考えられているとか。
ちなみに下の解説によると、この骨には死後つけられた多数の傷が残っているそうな。
飢餓の冬、骨の傷、となると出てくる悲劇的な結論は限られる気がしますが、
この解説ではそれ以上の説明はなし。
全体的に、こういった歯切れの悪い展示が続くのですが、
どうもこの最初の入植者たちは、アメリカでは一種の伝説化がされてしまっていて、
一種の不可侵な存在、都合の悪い事実は存在してはいけない存在に
なってしまってるのかなあ、という感じも無くはなく…。
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