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![]() 南西方向。ホントに360度、どちらを見ても人間の痕跡の無い大森林が広がります。一帯は国立公園ですから、かなりの部分が原生林でしょう。いやもう最高。ちなみに奥の方に見えているやや横に長い山は武尊(ほたか)山(2158m)の尾根一帯じゃないかと思います。ざっと20qほど先にある山ですが、山頂からみると直ぐ歩けそうな距離に感じられます。これが山の魔術の一つで、視界が開けると距離感が狂うんですよ。でもってその手前の山頂一帯に見える緑の広場は尾瀬ヶ原横の尾根筋に広がる平原、アヤメ平湿原でしょう。 ちなみに武尊と書いて、「ほたか」と読ませるのは明治以降の当て字で(江戸末期説もあり)、かつては単に「ほたかやま」でした。さて、日本にはもう一つ有名な「ほたか」山、穂高岳がありますが、この辺りの文字の当て方を考えると山岳信仰の歴史が色々見えて来る気がします。まあ、そういった話はまたいずれ。 ![]() さて、朝食も済んだ事だし、意を決して最高地点を目指しますか。一度、高度を落として再度登るしか無いのは、山登り屋としては一番イヤな経路なんですが、そういう山なんだから仕方ない。 ![]() ええと、このまま直進でいいのか。 ![]() となるとこの道を下るのね。ちなみに正面に見えている頂が、例の赤ナグレ岳。中央に小さな池があるため御池岳とも呼ばれます。ただし現状は登山路から外れているので、登る事はできませぬ。 ここもかつての火口と見られていますが、今のように盛り上がったのは江戸期初期に溶岩ドームがせり上がった結果だと言われています(噴火には至らなかったので文章での記録は無いが、火山灰の堆積などから判断されたらしい)。ちなみに今回の登山口の地名、御池と何か関係があるのかはよく判らず。 ![]() 徐々に高度を失う。柴安ーの向こう、尾瀬沼の奥に見えるのが、もうひとつの尾瀬の主、至仏山ですね。標高は2228mで、燧岳より128m低いだけなんですが、地球が丸い事もあって、それ以上に低く見えます(山頂間の距離は約12q。ざっと東京駅〜羽田空港、新大阪駅〜甲子園球場に等しい距離。尾瀬って一言で言ってもかなり広いのよ。そして標高2300m級から見るとだとそれすら近所に見えるのよ。空母艦隊決戦に置いて30qまでは至近距離って感覚が判るでしょう)。 |