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![]() そして1955年発売のトヨペット クラウン RS型 1955年式。 日本車の出発点と言っていい車がこのクラウンでしょう。トヨタが1955年に発売した1453t水冷4気筒エンジンの国産車です。この直前にほぼタクシー専用車のトヨペット スーパーという車が開発されているのですが、数の上でも自家用車として登場したと言う点でも、このクラウンが日本車の始祖鳥と言うべき存在だと思われます。ちなみにこれも前輪はダブルウィッシュボーンらしいんですが、この辺りのダブルウィッシュボーンへの拘りはちょっと謎ですね。当時の道路はほとんど未舗装であり、悪路対策にダブルウィッシュボーンと言われても、個人的にはちょっとメリットが思いつかんのです。 ただし発売価格は101万5000円、労働統計年報 昭和30年版によると当時の平均的な月給は1万5千円前後なので、給与67カ月分、つまり年収5.5年分のお値段でした。まあ買えるもんなら買ってみな級、フェラーリ並みの高級車です。ただし当時はタクシーが乗用車需要の多くを占めており、この車も使用されたらしいんですが、フェラーリ並みの価格の車で営業して利益出たんかいな、という疑問は残ります。タクシー用は廉価版があったんですかね。 ちなみに妙な形のフロントグリルは世界発のジェットエンジン搭載旅客機、デ・ハビランドのDH.106コメットの空気取り入れ口から着想を得た、という話がありにけり。この時代の車のデザインは何らかの形で航空機の影響を受けてるものが多いのですが、そこから取るか、という部分ではあります。ちなみに55年発売だと既にコメットは分解墜落事故後で運行停止中だったんですが。 ![]() ドアは観音開き式です。前席もベンチシートなのでコラムシフトレバーになっていますね。ちょっと驚いたのはハンドブレーキで、そこにあるんだ。 ちなみにトヨタはこの初代クラウンからすでに対米輸出に踏み切ったのですが、その開始は1958年。前回見たように翌1959年からアメリカの三大メーカーが「小型車」に乗り出して来た事、さらに当時のトヨタの品質がアメリカ車以下だったとことで全く売れず、1960年に輸出は打ち切りとなったようです。ちなみにこの辺り、当時のアメリカ三大メーカーが小型車に注目したのは日本車の脅威から、という説明は正しくない、という話でもあります。 ![]() 手堅くまとめたなあ、という車ではありますね。 ちなみに黒澤明監督の「天国と地獄」で犯人(共犯者)も使えば警察も使う、という大活躍を見せたのがこの初代クラウンですが(ただし三船敏郎は乗らない)、少なくとも警察の車はデラックス型でちょっといろいろ装飾がついております。あと恐らく1958年のマイナーチェンジ後の車両で(劇中では犯人の車は59年式とされるが)、展示の55年型とは細部が違うようです。 |