戦前、1938(昭和13)年に生産が開始された日産車、ニッサン 70型フェートン。この時代だとダットサンじゃないのと思ったんですが、大型車、高級車のブランドがニッサン、大衆車がダットサンだったそうな。知りませんでした。トヨタとレクサス以前に、日本でブランドによる高級、大衆の使い分けをやってたんだ、ニッサン。

先にちょっと触れた1936(昭和11)年の自動車製造事業法、これによってGMと日産が計画していた合併も潰され、その結果、産まれたのがこの車でした。戦中の1943(昭和18)年まで製造が続き、5500台前後が生産されたとされます。

ただしアメリカのグラハム・ページ社のクルセイダーをライセンス生産したもので、独自開発の車両ではありません。意味ねえじゃん、自動車製造事業法…。そしてなんでまた御三家でもなんでもない、高級車メーカーのグラハム・ページの車を…と思う所ですが…。まあこの直前に政府の介入によって日産とGMの合併計画が潰されていたので他に選択肢が無かったのか(フォードはトヨタとの提携一歩手前まで行っていたがこれも潰された)。グラハム・ページは当時既に経営が苦しく、どうも製造ラインの機械ごと購入できた、という話もあり。

ちなみにグラハム・ペイジは恐らく世界で初めてスーパーチャージャー(機械式過給器)付きガソリンエンジンを量産車に持ち込んだ会社なんですが、この車のエンジンには搭載されていないようです。まあそうでしょうね。



本国アメリカでは1936年に発売されたばかりの新型だったんですが、すでにクライスラーのエアフローが出た後の車と考えるとやや古臭いデザインではあります。本家のクルセイダーに屋根なしモデルは無かったと思うので、このタイプはニッサンが勝手に改造しちゃったものか。



そしてホイルカバーに燦然と輝くニッサンの文字。めちゃくちゃダサい。



トヨタKC型トラック。終戦の年、1945(昭和20)年製の4t積みトラックですが、戦争による資材不足から鋼材の使用を極限まで減らしているそうな。ちなみにトヨタは開戦前からトラックの生産をやっており、いくつかの車種があったのですが、あまり史料も無いし興味も無いので調べません。よってこのお話はここまで。



後部の荷台の壁が木製の他、他にも木の部品が採用されいている、との事ですが詳細は判らず。ちなみにこれ、レプリカではなく実車のようです。よく残っていたな。


NEXT