さて、8合目突破後の山頂付近はかなり眺望が効きました。こうなってくると歩くのが楽しい非日常の世界に突入してゆきます。筆者が一定以上の標高の山に拘るのはこの眺望の利点があるから。低登山だとひたすら樹林の中を歩くだけで終わってしまう事が多く、爽快感の点でやや残念なのです。 そこからの眺め。本州東側を代表する山々が見えています。本州ど真ん中の3000m級の山々が南北に連なる一帯を別にするとこの辺りが2400m級の山が連なる唯一の山脈でしょう。左手に見えている頭一つ抜き出た山が本州東部の最高峰、日光白根山2578m。標高2000m付近まではロープウェイがあるので、それほど難易度の高い山では無いのですが、筆者は人を巻き込んで山登り男に巻き込まれ、湯の元(後ほど訪問)からの地獄の登山ルートでここに登りました。ちなみに尾瀬の時に書いた、陸自のレンジャー部隊が走って登山していたのがこの山。30代までの筆者が、ちゃんと荷物を抱えた登山者に登り行程で追い抜かれたのはこれが唯一の経験でした。 その右奥でやはり頭一つ突き抜けた高さを見せているのが尾瀬沼の盟主、去年その麓を歩いた燧ケ岳、標高2356m。尾瀬沼の福島県側にあるので東北から北海道に至るまでで最高峰の山でもあります。 せっかくなので動画も載せて置きます。 火口付近らしい赤土の崩れやすい道が続きます。木が大きく曲がっているのは風が強いんでしょうね。幸い、この日は快晴にほぼ無風という理想的な状態でしたが。 そこから先、まだ若干登りが残ってましたが、ここまでの無茶苦茶な登り道に比べれば、まあ問題無しと言えましょう。そろそろ標高2400mを越えるはずですが、未だ完全な森林限界にはなりませぬ。日光辺りでも2500m前後が目安になるんでしょうかね。 |