■ミステリーきっぷで行く伊豆諸島

ナザレでイエスさんがオギャーと産まれてから2023周年の12月25日(ただしあらゆる聖書にイエスの誕生日に関する記述は無い。ヨーロッパの土着宗教の冬至、太陽の死と再生の祝いが転じたものだろう)、夜22時に東京の竹芝桟橋を出港、翌日の19時に帰って来る、という船中一泊二日とでも言うべき特殊な旅に行ってまいりました。

理由は単純明快。
東京から伊豆諸島に向けた船を運行する東海汽船さんが冬場の閑散対策として、ミステリーきっぷなるものを4000円と言う信じられん格安価格で売り出したから。これは当日窓口で切符を受け取るまで行き先が判らない代わりに、通常料金の片道料金よりも安い値段で2等和室船室(ちなみに2等以下は無い)の日帰り往復航路に乗せてくれる、というもの。ある意味で伊豆諸島ガシャですな。

そのギャンブル性と破格の価格、そういったモノが大好きな筆者としては見逃すわけには行かぬ、と言う事で平日に休みが取れたこの日に出かけて来たわけです。



伊豆諸島は八丈島から青ヶ島一帯までも含むんですが、東京から比較的近距離にあって島が固まっている一帯は御蔵島辺りまでとなります。いわゆる伊豆七島ですね。



二級市民が国内線を利用する場合にお世話になる成田空港から沖縄県方面に向かう飛行機は、この伊豆七島の南端で旋回、南西に向かいます。手前に見えてるのが伊豆七島最南端の御蔵島、上に見えてるのが三宅島。よって伊豆七島の最南端までなら空から何度か訪問しております。今回は海でその限界近くまで行って見る事になったわけです。ちなみに飛行機だと離陸後40分ほどで到着してしまうのでした。

東海汽船の場合は大島、利島(としま)、初島、式根島、神津島をまとめて一つの航路とし、三宅島と御蔵島は別航路となっています。今回利用したのは大島から神津島に至る方の船です。ついでに両航路、地図では大差のない距離と場所に見えますが、運賃的には三宅島航路の方が倍近い値段になっています。何か理由があるんだと思いますが。

この航路では東京から最短距離となる大島でも片道5000円を超え(ただし季節ごとに価格は変わる)、今回の航路では最果ての島となる神津島までなら7000円以上となります。すなわちどう転んでも往復1万円を超える訳で、4000円と言うのは破格としか言いようのない価格なのです。ただしガチャですからギャンブル要素も強く、最果ての神津島まで連れていかれてしまうと現地停泊時間は30分しかなく、事実上、船に乗って帰って来るだけで終わります。この点、大島なら8時間以上の行動時間が確保されるのですが、伊豆諸島の船旅と言う点では物足りないですし、行きは夜の航海で終わってしまい、景色を楽しむ等は無理となります。まあ、そこはギャンブルですから、出たとこ勝負で行って見ましょうか。

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