でもってそこに館内を案内する模型がある。

…あるんだけど…えええ、これで全部?他の階や区画があるんじゃないの、と思うも本気でこれで全部らしい。ええええええええええ、ここまで巨大な建物で、これで全部なの?スーパーで買ったウナ重が箱はデカいけど底がメチャクチャ高くて中身は薄いに似た衝撃。ここまで展示空間の小さい国立博物館もまた初めて見ました。全く意味ないじゃん、この巨大な建物。税金で建てたんだよね、これ…。なんなの、この博物館…。



国外も含めて私が見て来た国立博物館で最低の体験になる恐れを感じながら見学開始。結論から言ってしまうと、建物はカスですが、展示はそこそこの内容があり。そして最後に見るようにこの博物館の皆さんの感性がすばらしく、それで差し引きゼロ、という感じでした。ぜひ一度は訪問するべき、という施設では全くありませんが、時間があるなら見る価値はあるかと。

そんな展示の中で面白かったものの一つ、弥生時代の王墓に埋められていた甕棺の再現展示。中国の史書、王朝の歴史の書物のいくつかには日本に関する記述、いわゆる倭人伝があります(その一つが有名な魏志倭人伝)。それらに登場する倭の国、伊都国があったと推定される福岡県糸島で出土した甕棺の復元らしいです。中央の白い帯は、二つの甕の口を接合する粘土。二つに分かれているとはいえ、かなり巨大な甕で、これをよく焼いたなあ、と思う。どうやったんでしょね。



裏に回ると中が見えます。麻布らしきものに包まれているのが遺骸。副葬品はこの当時の金属の価値を考えると極めて豪勢で、やはり日本の「歴史」は九州から始まるんだろうなあ、と思う。



福岡県の宮地嶽古墳から出土した3m近い長さとされる頭椎大刀(かぶつちのたち)の再現模型。ちなみに現地の解説板には何の説明もありませんでしたが、頭椎太刀は御覧のような玉ねぎ型の装飾を持つ古墳時代の装飾刀剣のことで、この剣の固有名詞ではありませぬ。実物は国宝ですが腐食でほとんどが失われており、その鞘と柄の一部が残っているだけです。よってホントにこんな大きさだったのかは不明。というかこの模型の8割以上は推定による再現でしょう。その辺りの解説も何も無く、もうちょっとキチンとやろうよ、と思った展示の一つです。



なんで九州で遮光器土偶と思ったんですが、唐突に展示されてました。当然、東北地方の出土品。

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