公園入口も雰囲気があります。できれば寄ってみたかったです。 でもってその前、南海線の駅から徒歩2分の位置にあるのが今回の最初の目的地ザマス。 なんだか一般家屋に見えますが、これが大阪の路面電車、阪堺電車の始発駅、浜寺駅前駅です。良く見れば左にパンダ柄の電車が停まっているのが判るかと。 …なんでパンダ?中国資本が入ってるのか、と思ったらアドベンチャーワールドなるスポンサーによるものと判明。和歌山にあるレジャー施設のようで、一個小隊規模のパンダが飼育されてるそうな。 ただし阪堺電車は道路を走る部分が長いとはいえ、ほとんどは独立分離された専用軌道であり、この点は東京の都電荒川線によく似た電車とも言えます。 この路線、2012年のソウルの帰り関空に立ち寄った際、恵美須町から住吉までの一部区間を乗ったら大変に楽しかったので、今回は始発から全部行こう、と思ったわけです。せっかく大阪南部の関西空港から入ったのだから、そのチャンスを生かして大阪市内に向かおう、という計画ですね。 でもって浜寺駅前駅という夏のサマー、夢のドリームみたいなステキな名前ですが、この地球上に浜寺駅という鉄道駅は存在しません(笑)。存在しない駅前の駅を名乗る駅、という凄い存在。ただし、先ほどの南海の浜寺公園駅はかつて浜寺駅だったのですが1907年(明治40年)に現在の浜寺「公園」駅に改称しています。でもってこの浜寺駅前駅が完成したのはその5年も後の1912年(明治45年)。……どういうこと(笑)? ちなみにややこしいのですが、現在、この浜寺駅前駅から天王寺、恵美須町に向かう路面電車を運営してるのは阪堺電気軌道株式会社、通称「阪堺電車」です。これはもともと南海電鉄の軌道鉄道部門だった阪堺線(住吉で分離、恵美須町へ)、上町線(ここから天王寺まで)の二路線が昭和55年(1980年)に別会社として独立したモノです。 一方、戦前には「阪堺電鉄」という別会社が同じような場所を同じような路面電車で運行していたのでした(戦時中に大阪市に強制買収され消滅)。さらにややこしいことに、こちらにもまた「浜寺駅」が存在したのですが、確認できる限りでは、1935年(昭和10年)に開業したものの、戦中の1944年(昭和19年)に廃止になっており、さらに場所もここからはるかに北だったとされます。すなわち、場所も時代も全く合いませぬ。 この辺り、大阪の人は全く気にしないのか、全然資料が見つからず、残念ながら「浜寺駅」に関しては詳細不明としておきます。 さらに余談ながら、我が故郷千葉市にはかつて京成千葉線に「国鉄千葉駅前駅」というお前らにはプライドってものが無いのか、という駅がありました…。しかも京成電鉄が自主的にこの名前を放棄したのではなく、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化により仕方なく、現在の「京成千葉駅」に改名したのです。ところが元々、京成千葉駅というのは隣駅の名前だったため、そっちはそっちで「千葉中央駅」に改名してしまいました。 当時も今も千葉市は京成バス天国なのですが、この結果、多くのバスの終点表記が京成千葉から千葉中央駅に変ってしまい、一時的に地元の人間はバスの行き先を理解するのに大混乱となったのでした…。 もともと阪堺電車と南海電鉄は同じ会社だったので、その駅前としてしまったのは判らなくも無いんですが、なぜ実在しない旧駅名にしてしまったのかは全く分からず。ちなみに首都圏から来た人間はちょっと混乱しましたよ。 でもってこの始発駅は東京モノレール式、駅構内が単線で、その先から複線になる構造になってます。 停車中の電車に乗ったら奥に別車両が見えており、あれ、どうするんだろうと思ったら、向こうには降車専用のホームが別にあるようで、画面に見えてる二人のお客さんがそこから降りてました。 ちなみに料金は全線一律、どこで乗り降りしても230円なんですが、後払いで、降車時に運転手さんの横の料金箱に入金します。ICカードはJR東日本のSUICAも使えたのですが、一律料金なのに、乗車時にも入り口横のセンサーにタッチする必要ありなので、要注意。 それにしてもこの石畳、いい雰囲気です。 始発駅ですが、日曜休業で無人駅になってました…。というか上町線の終点、天王寺駅前以外はほぼ全て無人だったような… でもって完全に無人駅と思って油断してたら、突然右のドアが開いて運転士さん登場となり、ちょっと驚いたのでした。まあ、当然、どこかで待機してるわけですが。 ちなみに上町線の始発がこの浜寺駅前、終点が天王寺駅前で、路線の最初と最後の駅名どちらも駅前駅というのは、世界中でこの路線だけではないでしょうか。 乗車後、5分ほどで出発進行。こんな感じで道路と並行しながらの専用線路がほとんど、しかも全線複線なのですが、交差点を突っ切るときは道路の信号に従うため、その進行速度はバスと変らん、という感じになります。が、個人的には圧倒的にこちらの方が楽しいです、はい。 という感じに大阪中心部に侵入しつつある所で、今回の本編はここまで。 |