さて、ではこの蠱惑的な車庫とターンテーブルの施設の見学に参りましょう。旧手宮機関庫と呼ばれる施設です。
左右のどちらも明治期の建設でターンテーブルなどとまとめて国の重要文化財とされ、同時に鉄道記念物にもなってます。

 
いやーん、カワイイと女子高生からおじ様まで大好評のこちらの建物が機関車庫三号で、現存する日本最古の機関車庫。
1885(明治18)年竣工、すなわち19世紀の鉄道建築です。設計者は赤煉瓦の北海道庁と同じ平井晴二郎さん。いやもう、オジサン、これ大好き、という建物。全体に滑かな曲線が多いのはオシャレさんのなのか、積雪対策なのか。



こちらは機関車庫一号。
一号ですが、建築はこちらの方が新しく、1908(明治41)年完成。さらにいえば当時の建物は右側の二つの扉の部分だけで、左側の三つの扉は1996年に復元されたもの。こちらは直線的な建物ですが、これもいいねえ。

赤い転車台、ターンテーブルは1919(大正8)年製のもので、東京で造られてからここまで持ち込まれたらしいです。1974年で一度引退したのですが、現在は前回見た観光用列車を牽引する蒸気機関車、アイアンホース号を出庫させるため、現役復帰してます。すなわち毎日元気に回転中。

うおおおお、見たいよ、回ってるとこ見たいよ、なんで今日は水曜日で仏滅なのよ。



という感じで大興奮ですが、ククク、オレもいい大人だからな、ここは落ち着いて北海道と言えど水分補給を忘れずに、と思って自販機で飲料を購入す。でもって小学生低学年くらいの兄妹が自販機の前に居たのですが、何を買うか二人で議論中。そこに私がやって来たのを見たお母さんが、二人に譲るように声を掛けてくれる。こちらも可能なかぎり爽やかな笑顔でお礼を言ってお金を入れ、ボタン押したらこれが出てきました。

…流れる一瞬の沈黙、兄妹の刺さる視線。いや、違うのよう、オジサン、単に一番安いの買っただけなのよう、君たち押しのけてこんなの買おうとしたわけじゃないのよう、と思うが、フフフ、全てが言い訳になるなと、大人の笑みを浮かべて静かに立ち去る。

うええええええん、恥かかせやがって、どこのドイツだこんな見本と違うの入れてたヤツ!
しかもこの後、何度か場内ですれ違って、そのたびにメチャクチャ恥ずかしかったぞ、コンチクチョウ。小樽のご当地キャラかと思ったんですが、そうではなく何かのアニメらしい。小樽に関係がある作品なのかもしれませんが、心臓に悪いので止めて欲しいです、はい。ついでにこの手の絵柄にしては首が異常に太いので、おそらくレーシングドライバーですかね、この人。この手の平面的な絵で首を太くしちゃうと、顔を横に向けた時の立体構造が崩壊すると思うんですが、大丈夫?



では三号から見学に参りましょう。子豚がこれに籠ればオオカミなど一撃粉砕、というメルヒェンな雰囲気でございます。煙突の上のフタはサンタの侵入対策でしょうか。

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