今更ですが、小樽周辺の地図で説明します。
現在の函館本線は南小樽の北で不自然に西に曲がって北上してゆきますが、元々は直線で小樽市北部の港湾地区、手宮桟橋へ繋がる鉄道があったのです。

そもそも初期の北海道の鉄道は幌内の炭田から積出港となる小樽まで札幌を経由して設営された、石炭輸送のためのものでした。これが北海道開拓使による官営幌内鉄道で、石炭の積み出しが目的でしたから、まっすぐ埠頭がある手宮地区に入っていたのです。
ところが後に函館から札幌を繋ぐ函館本線が開通する時、手宮周辺は海と山地でその先に線路が通せなかったため、西から回り込む路線が造られます。ここに新たに小樽駅が造られ、その先で南小樽駅に接続、すでに敷かれていた札幌までの線路を利用したのでした(ややこしいことに、当初は南小樽が小樽駅、現在の小樽駅は小樽中央駅だったが)。

この結果、南小樽から手宮地区までは新たに手宮線として独立、終点の手宮駅があるだけの行きどまり盲腸線になりました。
1962年には早くも貨物専用線に切り替えられ、さらに石炭積み出しの需要減少などにより、1985年に廃線となります。その後、線路を撤去せず、大半を遊歩道として公開してるのです。

要するに最高にステキに楽しい世界が広がっている、という事になります。その遊歩道の終点、かつての手宮駅跡に建てられたのが、今回の目的地、小樽市総合博物館です。



線路の上も青春の一頁として歩けますが、その横に遊歩道もあり。自転車は推して歩く必要がありますが、一部の区間は人力車(観光用に走ってるらしい)、自転車も走行可になってます。いや、この快晴の夏空の下、楽しくてしかたねえ散歩でヤンス。



こんなちょっと狙った構図の写真も撮っちゃうでヤンス。



絵になるなあ。もうここで一日昼寝してたい、と思うも己に眠る貧乏性の力を借り、せっかく北海道まで来たのだからと前進を続行す。



草に埋もれた線路のポイントとか、もうオジサン、青春の涙が止まらない世界の風景です。
これ、絵になるよなあ、と思ったんですが、いざやってみると写真の魅力の足元にも及ばず、未だに描けず。いいねえ、楽しいねえ。

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