ではサッポロビール博物館、行って見ましょうか。
案内によると日本で唯一のビール博物館で1987年開館だそうな。建物のあちこちにある北海道開拓使の赤い星がどこか共産党軍的でございます。ハラショー(共産主義は国家を否定するので、全て党の私的な軍隊である)。
ちなみに首都圏では千葉の船橋に札幌ビールの巨大工場があるため、千葉県出身者としてはサッポロと聞くとちょっと懐かしい印象を受けます。

赤煉瓦の建物は1890(明治23)年竣工で、元は札幌製糖会社の工場だったのを1903年に札幌麦酒が買い取り自社工場としたもの。

北海道で製糖とくれば当然、砂糖大根、テンサイ(Beet)でして、調べたことがある人は知ってると思いますが全く上手く行きませんでした(第一次世界大戦時の砂糖価格暴騰でようやく商売になった)。当然、会社は廃業となり、それを札幌麦酒が買い取って自社工場にしたもの。BeetからBeerってダジャレですか、と思ってしまうところですが、ウケを狙った買収ではなかったようです。

ついでに札幌周辺の明治期の建物の多くは国から文化財の指定を受けてるのですが、ここは手続きの煩雑さを嫌って、これを拒否したそうな。まあ、そういった道もありますね。



入り口。オシャレです。
展示の見学は基本無料なのですが、500円で参加できるプレミアムツアーなるものがあり、ガイドさんが付いた上に、最後にビールを飲ませてもらえるそうな。私は酒を飲めないし、そこまで興味もないなあ、という事で無料見学コースへ。



コインロッカーもあり。私が見て来たコインロッカーの中では日本最強のカッコいいコインロッカーでした。世界最強かもしれません。



建物のガワだけ残して中身は全く別物になってるので、内部はこんな感じ。でも良い雰囲気です。



エレベータで三階まで上がって見学スタート。入るといきなり巨大な煮沸窯があり。
解説によると札幌工場操業当初の1965年から2003年まで使われた釜、とあり、混乱する。1987年に開館した博物館に2003年まで使われた釜があるの?そもそもここは工場としては1965年に閉鎖されたのでは?などと言った疑問に対する説明は一切無し。帰宅後、死ぬような思いをして調べて見た結果、この工場と同じ敷地内に1965年に新工場が建てられ、2003年まで稼働していたと知る。その後、この博物館の改装に合わせて移築したらしいです。

ちゃんと説明してよ、判らないよ、と思ったのですが、この博物館、全ての展示がそんな感じなのでした。正直もうちょっと何とかならんかね…という所。無料で見学して文句言うのもなんですが…

NEXT