鉄砲を支える木製台座の制作過程の展示。銃底(台かぶ)から銃身下(銃底)まで手作業による一本の木からの削り出しですから、これはこれで高度な技術が要求されたはず。 こちらは銃身の製造工程。下から順番に展示してるはずなんですが、葛(かずら)巻(上から三番目の鉄板を巻いてる状態)の順番が間違ってると思われます(笑)。 最初は一番下の状態、瓦金と呼ばれる一枚板から作業開始で、その上にある真金と呼ばれる円柱の棒に巻きつけ銃身の形にし、継ぎ目が消えるまで何度も過熱と鍛錬を行い、上から二番目に展示されてる素筒の状態にします。真金に付いてる縄は鍛錬中に高温になるこれを手で持つための取っ手部。 そこから上から三番目の葛巻、銃身を補強する鉄板を巻きつけて再度鍛錬して継ぎ目を消し、一番上の銃身の完成です。こりゃ時間も金も掛かるわ、という行程で造られているわけです。 最後は鉄砲最大の要、銃身の底を塞ぐ尾栓の制作。ネジが存在しなかった当時の日本で、構造の理解と製造に散々苦労した部分です。 こんなものも造って居たのね、という単筒。さすがに火縄銃では無理で、雷管式ですから幕末期のものでしょう。 一体全体、どういった構造なのかすらよくわからん脇差鉄砲もあり。結構、各地の博物館にあるので、当時は人気だったのかもしれません。 おそらく雷管式で、撃鉄を起こすと引き金が飛び出すヤツだと思います。撃つときは左の鞘を外して銃身を出すのですが、弾は僅かに3g、この構造では装薬(発射のための火薬)もたいして入らないでしょうから、厚着の相手だと効かないのでは、とすら思えます。実用性はかなり疑問で、一種のファッションかなあ、という気も。 そもそも単発式ですし。 |