この第二原子力発電所の北側では常磐線が海までわずか500m前後のところを走るため、津波に飲み込まれてあらゆる施設が破壊されてしまいました。周辺の家屋も全て破壊されたため、沿線にはこのような光景が広がり、新しい白いコンクリートが痛々しく感じる場所です。

ニュースなどではこの一帯に汚染土の蓄積場があったはずですが、既にそれらは見かけられませんでした。



その先で富岡駅に到着。
富岡駅は津波で完全に破壊されてしまっていたため、先に見た隣駅の竜田まで運行再開されたのは実に2017年になってからでした。

ここも第二原子力発電所の最寄り駅で、発電所の北側に位置する駅です。ちなみに第二原子力発電所までは直線距離で1.5qほどしか離れてません。
そして、ここから北の浪江駅までの約20qが常磐線で最後まで復旧が遅れた部分となります。なぜか、といえばそこにあの福島第一原子力発電所があり、最後まで立ち入り禁止区域だったからです。そして厳密言えば、2020年現在、未だに浪江〜富岡間の避難勧告は完全解除されてません。すなわち一部は立ち入り禁止区域を縦断して列車が走るのです。



旧富岡駅は駅舎が津波で崩壊したため、新しい駅が従来より北側に新たに作られました。このため駅周辺の各種工事もまだ進行中のようです。そしてここから北東部は未だに帰宅困難地区の指定が解かれていません。すなわち福島第一原子力発電所の炉心融解事故被災地のど真ん中にこれから列車は入ってゆくことになります。



この先では、写真に見えるように車両通行規制を行っている道路が見られました。未だに帰宅困難地区の指定解除がなされてない地区に通じる道路でしょう。



間もなく塀や家屋の一部が破損したままの建物が散見され始めます。
画面中央に見えてるのは立ち入り禁止区域を封じる道路の障害物。これを列車は超えて進んでしまうわけです。ちなみに2020年現在の帰宅困難地区の境界線の一部は常磐線に沿った形になっているため、東側は写真のような状態なのに、西側には普通に車が走っていたりしてちょっと驚きます。

ちなみにこの区間には「夜の森」という夕撃旅団認定日本一カッコいい名前の駅があります。残念ながらひたちは停車しないのですが…。

そしてgoogleの航空写真地図などで見るとこの一帯は近年、太陽光発電パネルだらけ、というシュールな光景が広がっており、これが耕作放棄された土地の有効な使い道の一つになっているようです。 原発事故が太陽光発電を呼び込んだ、という不思議な現象とも言えます。

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