今回の記事を始める前に、仙台行きに利用した常磐線について少しだけ解説を。
2011年3月11日の東日本大震災による津波被害、さらに福島第一原子力発電所事故が加わった結果、2020年3月までの9年間、常磐線は分断されたままでした。

震災から一か月ほどで南側は上野(厳密には日暮里が起点)〜水戸〜いわきが復旧、北側は仙台(厳密には岩沼が起点)〜亘理(わたり)までが復旧し、5月14日にいわき駅から久ノ浜(ひさのはま)駅までが復旧、以後も部分的な再開はあったものの常磐線の分断は続きます。最終的に原子力発電所周辺の立ち入り規制緩和を受け、ようやく2020年3月、9年ぶりの全然開通となったのでした。特急列車が運行される主要路線としては前代未聞の長期運行停止だったと思われます。

その常磐線再開に合わせ、JR東日本では最長、日本全体でも三本の指に入る長距離特急、仙台行き「ひたち」の運転も再開されたわけです(「ひたち」はいわき駅までの運行もあり、こちらは早くから復旧済み)。その「ひたち」に乗って北上しよう、というのが今回の仙台行きの目的の一つでもあったのでした。

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