市販車展示は前回さんざん解説したので、今回はホンダの迷走、H1300に積まれていた、空冷1300ccエンジンを。 手前に見えてる大きな円形部分は恐らくエンジンと一体設計となっていたギアボックス。 今回、ようやく撮影できた反対側。下部中央に見えてるのは過給用のタービンのような印象ですが、これが空冷冷却ファン。 大型の冷却ファンの設置を本田宗一郎総司令官が断固として認めなかったため、このサイズでなんとか冷やす必要があり、御覧ような複雑なダクトが周辺に設けられています。 左上に見えてるのはオイルクーラーですが、前回の記事でも見たようにドライサンプで強制的にエンジンオイルを循環させ、ここで冷やして冷却を行ってました。レース用でもなく、スポーツカーですら無いのにドライサンプをやっちゃった結果、高コストで重いという、なんのための空冷なんだというエンジンとなってしまいます。そして最後はホンダの経営を傾けてしまう事になるわけです。空冷エンジンの呪いですね。 ホンダがF-1を撤退した後、何をやったかと言えば、このエンジンで会社を傾けてしまっただけでした。もっとも、その衝撃から本田宗一郎総司令官の退陣、世代交代の進行、そしてCVCCエンジンの開発とシビックの大ヒットに繋がるので、災い転じて福となす、ではあったのですが。 1999年五発売されたホンダ初のハイブリッド車、インサイト。 カッコ悪いにもほどがある、という感じの貧相なデザインで、この頃からホンダは静かに死につつあったのだと個人的には思っております。アルミを多用して軽量化を図ったりしてたんですが、いかんせん、カッコ悪い、車内は狭くて実用性は無いでは売れるはずがなく、国内では生産終了までの7年間で1500台前後しか売れてないと聞いています。すなわち、あのヨタハチより売れて無い車なのです… でもって3階の企画展示コーナーも引き続き1964年の展示ですが、こちらは小型大衆車編となっており、個人的にはかなり楽しい展示でございました。 ホンダ初の四輪大ヒットとなったN360。厳密には1967年発売で、ホンダの第一期F-1活動期にギリギリ間に合った、という車なんですけども、まあ、あの時代を感じる車という事なんでしょう。というか、ホンダコレクションホールでホンダの車を展示しないわけには行かなかったんでしょうね… |