さて、今回はまずYOKOSUKA軍港巡りがどんなルートを通過するのかを確認して置きましょう。
横須賀は軍港の街ですが、大きく三つの地区に別れます。
まずは東端の半島部が丸ごと、さらに吾妻(あがつま)島、その対岸の浦郷地区がアメリカ海軍の基地となります。地図で白い部分がそれです。そして半島部の西側、横須賀本港の東岸に整備用ドックと軍艦用の岸壁が並びます。横須賀を母港にする原子力空母が入港、停泊するのもここです。ついでながらアメリカ海軍の基地に行く場合は京急の横須賀中央駅が最寄り駅で、JRで行くとえらく歩く事になります。
ちなみに横須賀の米軍基地司令官は横田や三沢などと同じ大佐(Captain)クラス。この辺り、准将クラスが司令官として来てる嘉手納はやはり別格なんだなあ、と思います(ただし横須賀にも少将クラスが赴任してた時代もあったので、格下げされたとも言える)。
余談ですが横須賀を母港とする空母USSロナルド・レーガン、さらには第七艦隊旗艦のUSSブルーリッジの艦長も大佐クラスであり、その上、ここを基地とする第七艦隊司令は中将クラスですから、指揮系統に混乱とか無いんですかね、これ。
その南西、半島部の付け根、JR横須賀駅の横にあるのが日本の海上自衛他の基地で、ここに横須賀総監司令部があり、海自の実戦部隊の艦隊もここに停泊しています。位置関係から判るようにJR横須賀線は元々軍用鉄道でした。
ただし、なぜか海自の潜水艦部隊、横須賀にある第二潜水部隊群の司令部と潜水艦用の岸壁は米軍敷地内、例のヴェルニー公園の対岸にあり、このため自衛隊の潜水艦がアメリカ軍の基地内に接岸しています。理由は知りませぬ。潜水艦基地内で殺人事件があったりしたら、どちらの国の刑法で裁かれるんだろ、と思いますが、今のところそういった事件は起きてないようです。潜水艦の中に入ってしまえば日本国内のはずですが。
そこから新井掘割水路を挟んで西側、長浦港にあるのが海上自衛隊の総本山、艦隊司令部で、こちらには補給艦や機雷掃海艇などが停泊していますが、いわゆる戦闘用の護衛艦などは居ません。
ちなみに艦隊司令部と横須賀総監司令部は陸続きでは無いので、移動手段は新井掘割水路を使った船便しかなく、陸路で行くには一度基地の外に出て、JRで隣の駅、田浦まで行く必要があります。このため、基地公開の時にはバス、および連絡船で両者を行き来できるようになってます。
出典:国土地理院ウェブサイト *必要な部分をトリミング、かつ2枚の写真を合成して使用。
例によって国土地理院航空写真でその辺りを見るとこんな感じ。ちなみに2014年撮影のもの。
でもって、軍港巡りの船は本来、アメリカ海軍基地と自衛隊基地の間にある乗り場から出港、横須賀本港から北へ向かい、吾妻島をぐるっと回って長浦港経由で一周するのですが、今回はいろいろあって黒い線のような航路となりました。なんで、というのも含めて、とりあえず見て行きましょう。
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