長い広場の奥にある建物が中正紀念堂の本堂。中正は蒋介石の諱(いみな、本名の事)ですね。
前回の旅行記でも触れたように、中国語圏では目上の人を本名で呼ぶのを失礼とする文化がありました。このため字(あざな)、号、などの別名を持ち、普段はそちらで呼ばれました(本名は親や主君など目上の物だけが呼べた)。となると死後は呼び捨てでいいの、とちょっと驚いたんですが、台湾では本名の中正と呼ばれていることが多く、これが市民に親しみを感じさせる演出なのか、なんか別に理由があったのか、よく判りません。
逆に言えば、戦争中の日本軍は蒋介石と字で呼んでましたから、敵の親玉をわざわざ敬称で呼んでいた事になります。実に礼儀正しいですな。
ちなみにここ、本堂の前に国旗掲揚の旗竿があるんですが、これ、なぜか中心点からズレてまして、真正面から写真を撮るとこんな感じになります。なんらかの深い理由があるのか、単なるウッカリさんなのか、よく判りませんが…
ようやく正面に来る。立派な飾り付けがありますが、ほぼ全部コンクリート製で、大理石の彫刻とかではありません。結果、微妙に安っぽいような…。ちなみに建物のてっぺんまでは70mあるそうで、だいたい20階建ての高層ビルなみの高さです。
入り口の左右には狛犬が。白い石造彫刻で大理石っぽいですが、よくみるとあちこちがハゲチョロで黒くなってる。
…適当な石に上から白ペンキを塗って、大理石っぽく見せかけてませんか、これ?
正面から入って来た門を振り返る。なんとなくインドのタージマハルを思い出しましたが、はるかに安っぽいです、この建物。
ちなみに階段を上ってしまいましたが、実はエレベーターがあった事を後に知る。ついでに階段の数は89段で、これは蒋介石が亡くなった年齢だそうな。200歳とかまで生きて無くてよかったな、と思う。
入り口。やっぱりタージマハルだよな、これと思う。それとも私が知らないだけで、中国にモデルとなるような巨大建築、あったのかな。
まあいずれにせよ、はるかに安っぽいですが。
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