■台北の基礎知識
さて、今回の旅行は台北市周辺を中心に見て回りました。一度だけ約30q程東にある九份(チウフェン)地区にまで足を延ばしますが、それはまた後で。とりあえず最初に台北のおおよその地理と今回見て回った一帯の基礎知識を解説してしまいます。上の地図で肌色の部分がおおよその台北の市街地区となります。南北で12q前後、東京中心部より一回り小さい、と言った感じの規模です。個人的には都市の規模と広がりで大阪に似てる気がしてます。川の街ですし。
台北は台湾北部の大河、淡水川(ダンシュイ ホー)東岸沿いに開けた、というか計画的に建設された都市でした。さらにその二つの支流が南北を区切っており、明らかに軍事的な要衝でもありました。このため中心部の平野部からちょっと移動するとすぐに山でして、台湾は山国なのだ、と痛感できます。
ちなみに西と南は川が市の境界線を兼ねており、川向こうの南西方面は約400万人と台湾最大の人口を抱える新北市となってます。
淡水川はかなりの幅があります。写真は対岸、新北市側からの撮影。この川に囲まれるように位置するのが台北市となります。
でもって三本の川の内、北の川、基隆川(ジーロンホー)だけは市の境界線になっておらず、川の北岸には夜市で有名な士林地区が広がります。ここは台北における高級住宅街&もっとも政治的に怪しい一帯でもあり、この辺りまでが台北の市街部と言えます。
台北市街の北側を流れる基隆川(ジーロンホー)の対岸の丘の上、士林地区の南部にそびえるのが、台湾を代表する巨大な高級ホテル、圓山大飯店(The
Grand
Hotel)。そこから川を挟んだ台北中心部側には松山空港があり、ホテルから北東に向かうと、あの故宮博物院があります。
なんとなくこの辺りがそういった海外への玄関口にされていた、というのが判るかと。そして夜市で有名な士林地区ですが、実はいろいろ怪しい、台北で一番胡散臭い地域だったりします。この辺りはまた後で。
ちなみに基隆川は東に流れて太平洋にそそぐのですが、ここはかつて砂金が取れる川として知られ、約30q先の河口部にはかつての金山で、現在は観光地として有名な九份(ジウフェン)があります。
そして街の中心と言えるのが前回もいろいろ見た台北駅。今回はこのすぐ側に宿を取ったわけです。
北朝鮮に備えた韓国のソウルと同じく、共産中国の攻撃に備えて台北中心部の鉄道は全て地下に入ってしまってるので、遠くから見ると巨大な体育館にしか見えないのがこの台北駅。台湾の国鉄、そしてMRTの地下鉄が二路線乗り入れてます。バスの多くもここを起点にするので、台北を歩き回るには最も便のいい場所で、このため、今回はこの近所に宿を取ったのでした。
ちなみに前回も述べたように、桃園空港に向かうMRTは厳密にはこの西側に別の駅があり、そちらからの利用となります。
台北駅の周辺にもそこそこ商業施設はありますが、何と言ってもここは地下街でしょう。まあ、これも本来は地下シェルターなんでしょうが。
東京、名古屋、大阪の地下街に匹敵する巨大地下街で、日本以外では私の知る限り最大級のモノです。ただし直線で複数の街が並行して走ってる構造なので、東京や大阪の巨大地下街のように迷子になる事はありませぬ。
再度地図を。台北の中心部は意外に限られ、台北から西門、そこから中正記念堂に至る一帯に商業施設、政治的な建物などが集中します。南北で1.5q、東西で2qといった規模で、このため1時間もあれば、歩いてその中心部をざっと見る事ができてしまいます。コンパクトな大都会、という感じで、やはりどことなく大阪に似てます。ソウルやロンドンもそれに近いですけど、もうちょっと広がりますからね。
ちなみに初日は台北駅から西門の南にある龍山寺とその周辺の繁華街に向かい、その後西門に抜け、最終的に台北市を出て九份(ジウフェン)に向かいます。
台北駅の南西にある最大の繁華街、西門。地下鉄で一駅ですが、歩いてもこれます。台北は東京、大阪、香港、ソウルなどと違い、複数の大きな繁華街はなく、この西門が唯一にして最大の商業地区です。台北駅周辺の地下街もそれなりに賑わってますが、あの一帯を繁華街というのはちょっと無理があるでしょう。
もう一つ、台北駅の東、復興周辺には日本のそごうを中心にしたやや高級な商業地区がありますが、これも繁華街というほどの賑わいは無く、日本人が繁華街と聞いて連想する、新宿、渋谷、池袋、キタ、ミナミ、といった一帯に近いのはやはりここだけです。
その西門のすぐ東にあるのが台湾総督府、台湾のホワイトハウスです。日本の国会に当たる立法院などもすぐ側にあり、この周辺に主な政治施設が集まってます。政治の中心と商業地区の中心がすぐ近所、という感じで、けっこう珍しい気がします、こういう都市。
といった辺りが事前に知っておいていただきたい事となります。では、そろそろ本編に行きましょうか。
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