その広場の前、道路を挟んで派手派手な壁が広がる。この原色バリバリの装飾からして、あれ、道教廟?と思ってしまったのですが、これが龍山寺(ルンシャンスー)でした。 ちなみに正式名は艋舺龍山寺(マンカ―ルンシャンス―)ですが、地下鉄の駅名でも判るように、普通に龍山寺で通じます。成田山新勝寺が成田山で通じるようなもんですかね。



正面から見るとこんな感じ。いや、道教廟だよね、これ。南方系仏教とはいえ、タイや蘇州でもこんな派手な仏教寺院、見た事ないぞ。そして例によって電光掲示板があり、台湾の宗教施設に必須のものなんでしょうかね、これ。

ここは清代、1738年に福建省から台湾に入植した人たちが建立したお寺です。よって本家の龍山寺は福建にあり、その別院という事になります。台北では最も古い寺院なんですが、何度も建て直されており、果たして現在の建物がいつのものなのかよく判りません。とりあえず日本領になった後、1919年に大規模修復が行われ、ほぼ現在の形になったようです。建物の状態からして19世紀よりは古く無いような感じですが、断言は避けます。



正門は修復中でした。電光掲示板に見えてるのがここの正式名称ですね。ちなみに艋舺(マンカー)はこの一帯の地名。



正門を入ると右に滝。…なんで?寺院に付き物の庭園のつもりかな。



正門の奥にあるのがこの本殿への入り口なんですが、正面からは入れず、右の狭い入り口に回ります。ちなみに左が出口。
正門は貴賓専用というのは日本の高野山あたりのイヤラシイ宗教施設によくある馬鹿制度ですが、台湾の歴史からしてそんなもの不要なはずで、なんでこうなってるのかは不明。

そもそも同じ中国でも上海、蘇州あたりとは建築様式が異なり、あの辺りで一般的な禅宗の影響がほとんど感じられません。同じ中国南部なんだから、蘇州でも福建でも同じようなもんだろう、と思ってたんですが、意外に違うみたいですね、これを見ると(建立時だけでなく1919年の大改修の時にも福建から職人を呼んでやってる)。


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