ではさっそく右側の入り口から本殿に入ってみましょう。
入り口横にある案内図で見ると中はこんな感じ。
グルっと周囲を取り囲む壁の中のやや奥に本堂、その左右に鐘楼があるという形式で、あまり日本やタイでは見ない構造。蘇州あたりの禅宗寺とも異なります。これが福建式の仏教寺院なのか、台湾だけのものなのかはよく判らず。
でもって見ると、本殿の後ろに天上聖母とか文昌帝とかの文字が見える。…それって道教廟じゃん。
どうもここ、明治前の日本のお寺(現在でも一部に残ってるが)の神仏習合に似た施設、すなわち道教と仏教を併せて祀る宗教施設らしい。なるほど、混沌の宗教の国、台湾だと思う。
右下にある写真は台湾式の占い聖筮(台湾における筮の字は竹冠はそのままで下が交の字になるが)のやり方説明。
願い事を込めながら三日月型の赤い木片を投げてその裏表で吉凶を見るもの。表(陽)と裏(陰)があり、両方表(陽+陽)なら願いはかなう、表と裏なら願い事がはっきりしないから内容を変えてやり直し、あるいは無意味な願いなので無効、両方裏(陰+陰)なら願いはかなわない、となります。
ついでにこれを使っておみくじも行い、まず、両方が表になるまで投げてから、おみくじの番号が入った棒を引きます。その後で再度この木片を投げて両方表ならその数字のおみくじを取る、それ以外なら最初からやりなおし、というもの。なので、おみくじ引くのにかなりの時間がかかります。
これって陰陽を見てる以上、簡易的な易と見なす事もできるわけで、そうなるとここは仏教、道教、儒教まで入ってる宗教のデパートだな、と思う。
ちなみに参拝方法もここに書かれてるので、キチンと参拝したい人はそれに従えば問題なし。漢文レベルの中国語が判れば読めます。
ただしキチンと参拝するには入り口にあるお供物売り場で供物を買う必要があり。当初は入場料代わりに買わなきゃなのかな、と思ったんですが、地元の皆さんも無視してどんどん中に入っていってしまうので、それに続く。ごめんなさい。でもちゃんとお賽銭は入れて来ましてよ。
さて、本殿はこんな感じ。やっぱりこれ道教廟だよなあ、と思う。ここが仏教寺院ですと予備知識なしに言われたら、とても信じられないでしょうね。オレンジは南方仏教では神聖な色なんですが、台湾の場合、道教秒でもオレンジですから、あまり意味は無い気がします。
本殿手前にお供物上げる祭壇があり。キレイに並んでるので、一定時間ごとに回収してるんでしょう。その中にあった日本語の商品「たねなしほしうめ」。
ひらがな表記なので、おそらく地元台湾の会社による“日本風”の商品なんででしょうが、なんでもお供物になるんだなあ、と思う。
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