■人無きあとの暗黒で
これにてほぼ見学を終了、出口に向かいましょう。
途中、展示のパネルなどを読みながら歩いていたら、いつの間にか周囲に人が居なくなってる。
地雷映画男まで影も形も無い。
シンと静まり返ったこの壕はなんとも悲しい空気の場所でした。
ただ、不思議と恐怖心は感じませんでした。
全く人が居ない壕の通路を静かに出口に向かう。
奥の方に見えてる光が出口です。
観光気分でやって来て、観るべきものを見たらさっさと帰ってしまう自分が、
どれほど幸福なのか、を感じたりもします。
望まぬ死を強いられぬ、というだけでも現代の日本は素晴らしいと思いますし、
ここからこのまま、あの光の先に出て行く自分が、実に申し訳ない気もします。
それでは、私は戻るべき場所に帰らせていただきます。
お邪魔いたしました。
あの光の先が、日常です。
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