■ヒンズーの神秘を見よ



寺院内部はこんな感じ。
改修工事中かと思ったんですが、工事の足場にしては何か妙なので、
上の日除けを張るための足場かもしれません。



建物の前にはヒンズーの聖なる牛の像がいました。
いわゆるSacred cowでアメリカの政治隠語では触れてはならぬ政治的な問題などを指したりします。
でもって後ほど、現代インドの街中で何度か生きた聖なる牛を見かける事になります。

ちなみにヒンズー教徒はあらゆる殺傷を嫌うので、牛だけでなく、リス、サル、野良犬、ヤギ、野ブタ、
さらには白馬にゾウと世界中の都市圏で、インド以外ではまず見られないのではないか、
というバラエティ豊かな生き物たちに出会うことになるのです。

これを見て私が思ったのは、日本の天神さんなどで見られる撫で牛の信仰なんですが、
私が調べられた範囲では、ヒンズー教由来とする根拠は見つけられませんでした。



あ、卍がある。
ヒンズーにもあるんだと思う。
卍の由来はいろいろ謎なんですが、インダス文明時代の遺物が残ってますから、
インドでは紀元前から使われていた記号であり、本場と言えば本場なんでしょう。
ちなみに仏教の兄弟宗教とも言えるジャイナ教のシンボルともなってるので、
なにか神秘的な意味があるんでしょうね。

ちなみにナチスのシンボルの元ネタとなったのは連中がインド好きだからではなく、
ヨーロッパはヨーロッパで昔から神秘的な記号としてこれを使っていたからです。
こっちはメソポタミア経由だと思われます。



多神教ですから、道教寺院のようにいろんな神様があちこちに祀られてます。
わたしはヒンズーに関してはあまり知識が無いのですが、
大きくシヴァ神派とビシュヌ神派に別れてるようです。

これらの神様はそれを象徴する“記号”のようなものがあり、どんな姿に描かれていても、
これを見ればどの神様なのか判るようになってます。
写真の神様は、三又の鉾とコブラがついているので、シヴァですね。
よってここはシヴァ派の寺院となります。

横に居る小さいのはゾウの神様ガネーシャで、シヴァの息子とされます。
ちなみにガネーシャはインドでも人気の高い神様らしいです。



そのシヴァの神殿(?)の前にあったのがこれ。
ああ、典型的なリンガ(lingam)でございますね。
コブラを付けてちょっとラブリーに演出してますが、まあ、基本はそのままですな。

シヴァ神はなぜかリンガ信仰と直結してるのです。
外人にはこの辺りどうも理解できないのですが、何か理由があるんでしょうか。
リンガ信仰に関しては夕撃旅団の倫理審査ギリギリのラインで
アウトとしますので、ここでは詳細は解説しません。
気になる人は自分で調べて見てください。小さなお友達は調べちゃだめよ。

この辺りのインドの信仰がなぜか仏教と合体しちゃったのがチベット密教、
日本でいう所の左道密教です。
そういったウサンクサい宗教の一番偉い人が、あのダライ・ラマなのザマス。



そのコブラには花が。
…カワイイじゃないですか。
コブラはシヴァ神のシンボルの一つですね。


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