■意外に見どころがあるのだ
ノースロップYC-125レイダー。
レイダーはRaiderで襲撃者の意味。その名の通り、これも強襲型輸送機です。
ユンカースJu52みたいな3発エンジン機ですが、こちらは戦後の機体で、
1946年に短距離離着陸可能な、僻地へ飛ぶ民間の旅客&貨物機として初飛行したもの。
ところがそのタイミングだと、陸軍のC-47、すなわちDC-3が大量に安価に民間に放出されていたため、
全く売れず、最終的に1948年に空軍が興味を示して採用した機体らしいです。
その短距離離着陸能力から、アラスカからグリーンランド周辺の北極圏への飛行、
さらには救助活動に利用するつもりだったのですが、あまりに非力で、
さらにヘリコプターが採用され始めた事で、出番を失います。
その結果20機前後しか生産されておらず、ほとんど試作機レベルの採用で終わってます。
そういった意味では展示の機体は貴重な生き残りでもあるのです。
ちなみにこの辺りが博物館の敷地の限界で、向こうには現役の空軍基地施設が見えています。
この先にはフェンスがあり、当然、そちらには立ち入りできませぬ。
ついでに基地内の左手にいくつかカマボコ型のハンガーが見えてますが、
昔はあの中の一つが実験機&大統領専用機の館でした。
博物館前から、一日何回かのバスツアーで、そこまで行って見学してたのです。
ロッキードAC-130Hハーキュリーズ。
Aが付いてるからこれも重武装ガンシップ機ですが、その先行試作型で、
この博物館の奥のライトパターソン基地で通常のC-130から改造されたものらしいです。
1967年にテストのためベトナムに送られ、十分な結果を出したため、
以後のAC-130はこれに準じる形で製造される事になります。
その後は主に夜間レーダーなどの装備実験に使われた機体らしく、
現状では武装は取り外されてしまってます。
ちなみに機首左下のレーダードーム、前回来た時は無かったような記憶があるので、
ここ、微妙に展示機をいじったりしてる?
ボーイング C-17 グローブマスターIII。
1993年から運用が始まってるアメリカの主力長距離輸送機。
前回の見学の時にはなかった機体で、2012年から展示が始まったもの。
ちなみにこれもボーイングを名乗ってますが、元々はマクダネルダグラスの設計です。
巨大な胴体内には陸軍の主力戦車、M-1がそのまま搭載可能となってます。
めちゃくちゃデカいのですが、これも入れようと思えばハンガーには収まるはずなんですけども、
まだ場所が確保できなかったんでしょうかね。
この機体、強襲輸送機には分類されて無いのですが、衝撃に強い短い脚、
そしてこの巨体がわずか1100mの滑走路で離着陸可能、と
やろうと思えば強襲輸送機としても使える機体となっています。
2018年現在、バリバリの現役機であり、展示の機体はその先行試作機。
T-1という名前で1991年9月に初飛行したもので、
試験終了後は、軍の協力で撮影された映画にC-17として何度も登場、
トランスフォーマー、アイアンマンの映画などで飛んでたのがこの機体らしいです。
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