■大統領の飼い犬は犬統領
さていよいよ第四ハンガーの最後の展示、一番奥にズラリとならぶ、
大統領専用機の展示に行って見ましょうか。
この博物館で一番人気かもしれないのが、この展示で、実験機の館はほとんど人が居なくても、
こちらには結構な数の見学者がいて、それが次々と機体の見学に来るので、あまりゆっくり見れませぬ。
もっとも、ゆっくり見るほどのものでもない、という気もしますが、
貴重な展示ではあるし、DC-4やDC-6、ロッキードのスーパー コニーなど
普通の博物館ではまず中に入れない機体の中を見れるのもまた事実。
とりあえず、さっそく行って見ましょうか。
微妙に中途半端な位置にある展示コーナーの看板。
大統領な展示、という感じの名称ですかね。
ちなみにPresidential、大統領の、という形容詞があると初めて知りました(笑)。
あ、でもよくよく考えたら、大統領選挙がPresidential
electionか。
さて、大統領専用機と言えば大型ジェット機が有名ですが、先にそれ以外の機体を見てしまいましょう。
ちなみにエアフォース ワン(空軍1号)というのは大統領専用機の名称ではなく、
どの機体であれ、大統領が乗った瞬間、その機体の識別番号、
そして無線呼び出し番号(Radio
call sign )がエアフォース ワン、空軍一号機になるのです。
なので大統領が下りた瞬間から、ただの機体に戻ります。
ちなみにエアフォースワンの呼称が使われ出したのは1953年ごろからとされ、
それ以前は飛行の度に呼称が変ってたそうな。
ノースアメリカンT-39A セーバーライナー(Sabreliner)。
民間機のセイバーライナーの軍用版ですが(というか軍用版が先なのだが)
厳密には一度もエアフォース ワンのコールサインを使ってない機体。
これは20世紀以降で宇宙最悪のマヌケ大統領、リンドン・ジョンソンが大統領引退後、その移動用に与えられた機体です。
(2018年2月現在ランキング 私の中ではトランプがこれを猛追中。
ちなみに公民権関連法案はケネディの遺産とジョンソンの政治手腕の合同成果だが、それを差っ引いてもマヌケだ)
彼の死後、1973年以降は実験用の機体になってたようですが、最終的にこの博物館に寄贈されたんだそうな。
しかし、引退後、プライヴェートジェット機まで貸与されるんですね、アメリカ大統領。
引退後の大統領なんて常時4〜5人は居るので、これは結構な経済負担のような気が。
そう考えると、引退した大統領を片っ端から裁判所に放り込んでしまう韓国は
意外に経済的なのかもしれません。
ロッキードVC-140Bジェットスター。
個人的にはなんか大昔の全日空機みたいな塗装だと思ってしまいました。
ロッキードが開発した初期のビジネスジェット機、ジェットスターの軍用版です。
大統領を含む政府高官用として計6機、空軍が運用していたようで、
大型機では不経済な近距離飛行、あるいは大型ジェットが着陸できない
国内の地方空港などに飛ぶときこの機体を使ったとのこと。
よって、これも大統領専用機として使われる事があり、
その場合の空軍での無線呼び出し呼称はエアフォー ワンとなります。
ちなみに導入から26年、1987年まで現役で使われ続けてました。
1961年採用ならケネディ時代からとなりますが、ケネディが利用したかは確認できず。
その副大統領で、暗殺後は大統領になった史上最悪のマヌケ大統領(2018年2月現在)、
リンドン・ジョンソンは小型なこの機体を エアフォース 1/2(Air Force One Half)と呼んでたそうな…。
ジョンソンらしいユーモアだと思います。
ちなみに展示の機体を利用した事がある大統領は
ニクソン、フォード、カーター、レーガンの4人だそうな。
ついでにロッキードのジェットスターはエルビス・プレスリーの自家用機として有名な機体ですから、
エルビスは大統領と同じ専用機を持っていた事になります。
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