■少しクローズアップ



ななめ後方から。
耐圧殻とカバー部の間の水抜き穴が、結構後ろまで続いてるのを見ておいてください。
甲板上で開いてるハッチは、後部魚雷室に繋がる魚雷搬入用のもの。

ちなみに魚雷は一度積んでしまうと艦内での移動はできません。
前のを使い切ってしまっても、すぐに後ろから持って来る、というのはできないのです。
(運ぶだけならやってできないことは無かったかもしれないが、狭い艦内では向きを反転できない)
なので後部用の魚雷を前部で使おう、と思ったら、一度浮上して甲板を通して運ぶしか無いのです。
ちなみにUボートでは甲板の下に予備の魚雷を積んでいたので、いざとなったらこれを使うのですが、
当然、これも浮上中でないと取り出せません。

手前の階段は艦内見学コースの出口。
これは耐圧殻を切断して出口にしちゃってるという豪快なものですが、
(入り口もそうだけど)
これは以前、館外で展示されていた時、艦内から通路で繋がっていた名残です。
なんてことすんの、と思わなくも無くも無く。



艦橋部。
艦橋といってもこれもカバーの一部、薄い鉄板で造られたハリボテです。
中は空っぽで(階段などはあり)、前方の下半分にだけ、下の耐圧殻から続く司令塔(Conning tower)が入ってます。
艦橋の上にあるのは、手前が37o機関砲×1、奥のちょっと高い位置にあるのが20o×2の銃座×2。
ちなみに20oは通常の弾倉式なんですが、37oは下に給弾用のハッチがあって、
そこで艦内からベルト給弾されていた、という話を以前に本で見たのですが、残念ながら当時の写真等では確認できず。



艦橋部を下から見上げる。
下の水抜き穴から、耐圧殻とカバー部の間の構造が少し見えてますね。



そこから艦首方向を見る。
前翼は可動部がかなり大きいのです。



カバー部の表面。

第二次大戦期の船舶用溶接だと、
大量生産の原動力になったリバティーシップのものが有名ですが、
このドイツUボートの鋼板の溶接もスゴイもので、
後に同じIX(9)C型のUボートを受領し、これを研究した日本側はこの溶接技術に驚愕したそうな。


NEXT