■後方から
斜め後方から。
船体後部は隙間があるは凸凹してるはで不安感をあおりますが、ここも単なるカバーなのでこれで問題なし。
流体力学的に、抵抗の少ない後部が絞り込まれる流線形に近い形状なんですが、
これだけ表面が凸凹してると、効果は薄かった気も。
ジェットエンジンの排気口みたいなのは、先にも説明した後部魚雷発射管。
IX(9)型では2門あります。
魚雷発射管が後ろにもあるのは目標の位置によっては後ろから撃った方が回頭するより早いからですが、
同時に潜水艦は前後の重量バランスを取らないと水平姿勢を保てないので、
重量物である魚雷を船体の前後に置きたかったから、というのもあると思います。
ちなみに一発撃つごとに前後の重量バランスが崩れて艦首が上がり下がりするので、
撃った後は反対側に急速注水してバランスを保ちます。
真後ろから。
左右だけではなく、上下方向にも動く必要がある潜水艦では、
横の舵だけではなく、飛行機の水平尾翼のような縦方向の舵も付いてます。
ちょっと離れた位置から。
人物と比べて、船体が極めて細いのを見といてください。
このため、海上で船体を相手の方に向けると、視認するのは極めて困難でした。
Uボート艦長の回想とかを見ると、2000mと海上では至近距離、といっていい距離で浮上しながら、
駆逐艦に発見されずに逃げ切った、といった話なども出て来ます。
反対側。後部の魚雷ハッチのフタの開き方はよく判らず。
右側のは多分、フタを紛失した状態です。
陸に上がった状態の潜水艦だと、後部にいろんな安定用の翼があるのがわかります。
通常の舵も2枚あるんですね。
横から。
深度100m前後が通常の潜航深度なんですが、最悪の場合、200m前後まで潜って敵の攻撃をかわします。
が、潜水艦は動いてないと沈むので、潜航中に動力を切った場合、どんどん沈降してゆきます。
(ボールは投げて速度がある間は飛んでるが、止まると落ちる。
水中ではより強い浮力が働いてるのでわずかな推力でもなかなか沈まない。
同時に少し艦首を上げる、水平翼を使う等で、揚力を得ていたはず。
いずれにせよ、停止すれば沈む。それがいやならタンクの水を抜いて浮上するしかない)
もし、水深がそれより浅い場合、潜水艦は着底してしまうことになり、
実際、着底した状態で敵からの攻撃を交わす記述は、いくつかのUボート艦長の手記に出てきます。
クレーマーなどはU333で、カリブの浅い海底に着底し、姿を隠して夜になると浮上、
襲撃を行っていた、と書いてますし。
このため、スクリューが砂に埋まったり、岩盤にぶつかって軸ごとねじれたりしないよう、
舵の方がより下まで伸びており、着底した場合、スクリューを護るようになってます。
ギリギリだな、という感じではあるんですが。
理屈ではわかってましたが、実際に見るとなるほど、と思わされる部分です。
スクリューと舵の周辺をアップで。
良く見ると、水平尾翼(縦方向の舵)にスクリューの横から棹(ロッド)が伸びています、
どうもこれでこの舵を動かしていたようですが、これ、水中衝撃波とかで簡単に破損しそうなんですが、
意外と大丈夫だったんでしょうか。
スクリューは回転軸ごと、外にむき出しなので、この艦尾には、これを固定する支柱が付いてます。
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