■期待を盛り上げる展示たち



こんな感じに。
ワシントンDC旅行記で紹介したように、世界で初めて萌え要素を軍事に持ち込んだアメリカ海軍ですから、
こんなポスターはお手の物です。陸軍に比べるとセンスいいんですよ、アメリカ海軍。

WAVESは第二次大戦中に人手不足に悩んだアメリカ海軍が
1942年の夏、議会と大統領の認可を得て募集を始めた女性士官と志願兵の事。
Women Accepted for Volunteer Emergency Service 
女性向け緊急軍務志願兵受付の頭文字を取ったものですが、
言うまでもなく(笑)、アメリカ軍お得意のダジャレ命名となってます(海軍では珍しいが)。
ちなみに海兵隊にもその一部が入隊してたようです。

余談ながら何度か言ってますが英語のボランティアは志願兵の事。
以前ある雑誌で、前線にボランティアで集めた兵が到着した、というスゴイ翻訳を見たことがありますが…
ちなみに本来の名前はUnited States Naval Women's Reserve、合衆国海軍女性予備役兵となります。

これも余談ですが、Reserveは予備役兵の事ですから、自衛隊の前身となった National Police Reserveは
予備役兵の事で、さらにPolice は治安維持部隊の事ですから、日本語にするなら、
国家治安維持予備役兵、となります。
これを「警察予備隊」と空前絶後の直訳をした当時のお役人さんは、ある意味スゴイですし、
歴史上稀に見る翻訳だと思われます…。
私が学生のころは教科書にも、堂々と警察予備隊、と書かれてましたが、今はどうなんでしょ。

ちなみに、まだまだアメリカでも閉鎖的な時代ですから
(1960年代後半までは黒人も女性も強烈な差別の対象だった)
あくまで戦時緊急用の存在で、最初からその任期は戦争期間中と、
最長でも終戦後六カ月まで、と規定されていました。
それでも士官候補生(大学、専門学校以上の卒業資格を持つ女性)まで募集があり、
任官後は士官待遇で入隊、中には大尉(Lieutenant)まで昇進した人もありました。
ちなみに、黒人女性で士官となった人も居たので、
ある意味でこちらの方が進んでいたのかもしれません。

主な仕事は情報分析、補給部隊の事務、などでしたが、事故などで
士官7名、志願兵62名の死者をだしてますから、簡単な任務では無かったようです。
ちなみに基本的には本国勤務で、前線に送られる事は無かったのですが、
ハワイ、アラスカまでは配置されてました。
中には日本語を学習した情報部隊の士官女性も居たようです。



こちらはそんなWAVESの皆さんが活躍する情報部隊の再現ドラマ。
といっても、その主要なテーマは展示のUボート505捕獲作戦の方で、
その司令部における作戦展開の様子をドラマで再現してます。
ただし、音声が妙に聞き取りにくいので、私の英語力では半分も理解できませんでしたが…。



その先には海軍パイロットの装備の展示。
左手前にあるのはメモパットは飛行中膝の上に載せて使うほか、
F4Fはコクピットに事務机の引き出しのような地図用の引き出しがあったので、
そこに載せて使ってました。

なんでUボートの展示にパイロットの装備が?というと、これまたU505に関係するのですが、
これに関してはまた次回。



こちらはU505捕獲作戦時のフィルムを上映してます。
手前のセットとマネキンはただそこに居るだけで、あまり意味がないような…。

上映されてるのはおそらく1945年に製作された海軍の宣伝映画
Away Boarders - Capture of German Submarine U-505を編集しなおしたもの。
これの短縮編集版がかつて日本でも500円DVDで売られてましたが、
YOU Tubeなどで原版が見れるので、興味のある人は検索してください。

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