■セイバーブラザーズ
ノースアメリカンF-86Fセイバー。
夕撃旅団ではうんざりするほど、なんども解説してる機体ですから、もういいですね(笑)。
終戦後のアメリカ軍の主力機であり、朝鮮戦争の主力機であり、
間違いなく傑作機なんだけど、Mig-15より性能的には少し見劣りがした機体です。
アメリカ軍からの供与で約170機、国内のライセンス生産で300機、
計約470機と自衛隊としては最大の数が配備されていた機体でもあります。
ただし、アメリカからの供与機の一部は使用せずにアメリカへ返還しており、
全機が運用されてたわけではなないようです。
展示の機体はこれもブルーインパルス使用機なんですが、個人的は
普通のF-86の方がよかったなあ、と思ったり。
まあ浜松基地の場合、この機体への思い入れが強いのでしょうが。
ちなみにこの時代の米軍機に対し、自衛隊は独自の愛称を付けており、
F-86Fは旭光(きょっこう)となってました。
なんで朝日?と言われても私も知りませぬ(笑)。
そのセイバーに積まれていたGE(ゼネラルエレクトリック)製のJ-47エンジン。
左が前で、変な帽子みたいなパーツが付いてますが、正体は不明。
おそらく空気取り入れの整流用パーツだと思いますが。
右側の燃焼室が複数の円筒に分割されてますが、このエンジンは既にJ-79などと同じ軸流圧縮式です。
このあたりはまだ遠心圧縮時代の設計を引きずっていた感じがしますね。
86セイバー時代のブルーインパルスの模型。
6番機まで全部キチンと制作した上に、パイロットの階級と名前まで。
浜松の愛を感じました…。
ちなみにこの機体もコクピットに座れます。
10年ぶりに座って見てちょっと意外だったのは思ったほど後方視界が無い事。
真後ろ周辺はほぼ見えません。
このため、後ろにスライドしてるキャノピー(風防)の上には後方確認用のバックミラーがあります。
コクピットはこんな感じ。意外に広くて余裕があります。
良く見るとシートの足置き場(?)に三角形にワシのノースアメリカン社のマークが。
F-86Fは射撃管制用レーダーを積んでますが、射撃照準の補正にしか使わないので、
特にスコープなどはありません。
注目は計器盤上のゴチャゴチャぶりで、中央にあるジャイロ搭載射撃管制装置A-4の周りに、
いろんなスイッチが所狭しと並んでます。
これ、一部の視界を遮るほどでして、よくまあこれだけいろいろ付けたなあ、という感じですね。
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