■Training 4
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とりあえず、博物館棟から、展示ハンガーに向かう連絡橋を渡って、そちらに向かいます。
ハンガーから外に出で地上で見ると、なんとも広々とした空間が広がっております。
以前来たときは外には出れなかったので、イベントのための開放でしょうか。
本来、ここに駐機場を造る理由は無いはずなので、おそらくこの展示施設のイベント用、
あるいはハンガー内の展示機入れ替えの時の作業スペースでしょうかね、ここ。
で、居ました、T-4。
入間の近所を歩いてるとき、飛んでゆくのを見たことが一度、
東京上空でブルーインパルスが展示飛行をやった時一度、
それぞれ見たことがありましたが、間近で見るのは初めてですね。とりあえず近くまで行ってみませう。
結構、丸っこくて、カッコいいです。
思った以上に小さくて、これなら近所のイオンモールへの買い物とかに、
一家に一機あってもいいんじゃないか、という感じ。
後で見てたら、数百メートルの滑走で、あっという間に浮いてましたし。
ちなみに、私は自衛隊の最新鋭機、と思ってたんですが、
今回調べてみたら、すでに初飛行から30年経ってるんですね、これ。
意外にいいオッサンだったのかあ…。
まあ、アメリカ空軍なんてT-38練習機を初飛行から50年以上使ってますから、
基本設計さえしっかりしてれば、まだまだ行けるのか。
横から見ると、こんな感じ。
愛嬌のあるスタイルで、日本が独自開発した国産機としては、最もいいデザインじゃないでしょうか。
尾翼の前の背びれ(背面フィン)とか、強い下半角を付けた主翼と尾翼とか、
いろいろ興味深い部分がありますが、旅行記でそこまで突っ込んでられないので、まあ、今回はパス。
ちなみに主翼の前縁部が一直線になっておらず、
途中に段差があるのがわかるでしょうか。
最初、前縁スラットが出てるんだろう、と思ったんですが、
そんなものは付いておらず、よく見たら高迎え角時に渦を起こして外翼部の失速を防ぐ鋭角な段差、
いわゆる犬歯型延長部(Dogtooth
extension)ですね。
後退翼の場合、外翼部、主翼の外側が高い迎え角を取った時に気流が剥離して失速しやすいため、
この出っ張りで、ぶつかる気流に渦を起こし、主翼外部の揚力を維持する仕組みです。
(後退角のある主翼では気流が外向きに流れるので、ここから外側に渦が広がる。
そして渦は低圧部に他ならないから、その発生は主翼を上に吸い上げる揚力を生む)
まあ、F-4ファントムII など一部のデルタ翼機にもありますが、本来は後退翼のための装備です。
あれま、そんなのが必要なほど、急角度の後退角が付いてるの、T-4とちょっと驚く。
最大速度はマッハ0.9辺りのはずで(だからデルタ翼では無く後退翼だ)、普通の旅客機と変わりませぬ。
なので、そこまで急角度の後退角が必要とは思えないんですが、
そういやホーカーのハンターにも犬歯延長部は付いてましたから、
速度や後退角のキツさ以外にも、何か必要になる要素があるんでしょうかね。
まあ、とりあえず今回は旅行記なので、これ以上は突っ込みませんが。
ついでに、この主翼、よく見るとネジり下げが入ってる?
あるいは主翼全体が下を向いてるだけかもしれませんが。
(地上の姿勢と空中の姿勢が異なり、地上では機首が下がって主翼も下に傾ているように見えてるだけ?)
この点は帰宅後、写真を見て気が付いたので、
現地でよく見てこなかったのが悔やまれます…
あと、アフターバーナーなしとはいえ、このジェットエンジンのノズル、
なんとも単純な構造で、個人的には結構好きかも(笑)。
といった感じで、今回の本編はここまで。
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