■続く願いたち
というわけで、今回も引き続き、台湾の欲望を飲み込んだ絵馬のお話だ。
「さいですか」
まあ、これは見ての通り、男友達を手に入れるぜ、だね。
左下には売り出し中、の英語もあり。
「やはり願望というより宣言文に近いような」
ここら辺りが台湾の絵馬文化の特徴なのかなあ。
「右側に中国語の縦書きのメッセージも書かれてますが」
これの意味がイマイチ不明なんだが、聴説我叫林阿達、
聞いてよ、私が言ってるのは林阿達の事だから、
といった意味で、お友達の指名じゃないかね。
「林阿達さんて、誰?」
さっぱりわからん。芸能人かなあ。
「しかし、女性の絵馬、多いね」
まあね。
右のはまたバストアップのお願いと、金寄こせ、という要望と、
日本語学校に関する成績アップと、最後はみんな愛してる、という宣言で、
こちらも女性だと思うしね。
「…そんなに台湾女性ってバストに問題抱えてるの?」
よくわからん。そんなとこばかり見てたら警察呼ばれかねんので、
よく見てこなかったからねえ。
まあ、とりあえずそこら辺りも謎だね。
こちらは自由になる事、これこそ愉悦、といった感じかなあ。
「ニート宣言?」
と、受け取れなくもないなあ。
「最後の英語は何言ってるの?」
直訳するとラと歌おう、だけど、これも意味不明。
なんらかのスラングだと思うけども。
これも要求宣言文なんだけど、私は100万元の現金を当てねばならぬ、との事だ。
「当ててください、じゃないんだね」
ここら辺り、自助努力の立派な宣言のような、いやそうでも無いような、妙な表現なんだけどね。
「100万元じゃなくて、100万ドルでは?」
いや、台湾元も台湾ドルという呼称で、ドルマークを使うんだよ。
まあアメリカドルの可能性も捨てきれないが、その場合、片や330万円、片や1億1000万円で、
全く異なる金額の要求になってしまうから、この辺りははっきりさせてほしいのココロ。
ついでに、名前がNANAMOさんになっていて、この辺りも微妙に日本風。
余談だが、台湾の人は、香港と同じく、“勝手に自分で付けっちゃった英語名”を持ってる人が居て、
驚くべきことに、これがパスポートにまで記載してる場合がある。
なんで、あんたがトニーで、あんたがジョンやねん、という感じなんだが、
その内、あれも勝手に付けた日本語名になったりするのかなあ、と思ったり。
「さいですか」
最後はこれ。
「……」
………
「で、要求は何?」
それがさっぱり判らん。
恐らく家族で、真ん中がお父さんで、左端が本人で現金をワシ掴み状態?
「まず願望を読み解くのが一苦労だな」
なんだよねえ。これ贈られた神様も対応に困るだろう。
「右上のは斬新なハンドバック?…あれ、家か」
いや、飛行機じゃないかなあ、これ。
お金を手に入れて、旅行に行きたい、がその主張するところだと思うんだが…
「複雑だねえ…」
なんかボイジャー宇宙船に載せた宇宙人へのメッセージ板を拾った
地球外生命体の気分になってくるな、この辺り。
「まあねえ」
といった感じで、今回はここまでだ。
台湾はかつてないほど、オマケ編のネタの宝庫だった。
また、いつか行って見たいね。
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