■タイの最先端とそれ以外



これも途中駅で見かけた駅内のお店ですが、こちらはレストラン。
これは10年前にも見かけており、一度利用したいなあ、
と思いながら未だ果たせず。



さて、大分バンコク中心部に近づいて来ました。
横を見れば市内に向う車で大渋滞中。
フハハハ、さらばだ諸君、フアランポーン駅に一足先に行かせてもらうよ、
とか思ってたんですが、この列車も途中の駅や信号で3分近くただ停まってる、
という事がしょっちゅうあり、あれ、意外にいい勝負…?

しかも写真で見るとわかるように、交差点の信号に合わせて停まったりします。
当然、路面軌道ではなく、専用軌道なんですが…、
渋滞対策のため、車の都合に列車が合わせてるんでしょうか。



その先で見えた、これも10年前からあった大規模ショッピングセンター。
中は日本の郊外型大型商業施設とよく似てる、オシャレなショッピングエリアとなってます。

こんな商業施設があって、壁には
カッコイイお姉さんとポルシェの広告がバーンと出てる、
といった辺りだけ見ると、バンコクも日本並みじゃない、と思っちゃいますが…。



その直ぐ先の線路脇では、舗装もされてない
空き地に広がる青空市場が展開してます(笑)。



さらにこの先でもっとスゴイ光景が展開してまいります(笑)。

これ、駅なんですが、完全に低所得層のみなさんの住宅と化しており、
ここからフアランポーン駅直前まで、線路周辺は、
こういった住宅街が延々と展開します。

左側の広告とかは、ここに出されていたものを利用してるのか、
勝手にどこかの広告をかっぱらって来てしまったものなのか…

ただし、誤解なきよう書いておきますが、これはスラムではなく、
車やバイクを持ってる人たちが、普通にここで生活してるのです。
まあ壁がないと命にかかわる、という寒冷地帯ではない
タイ周辺ならではの生き様でしょうね。

この最先端部と、それ以外の部分の落差の大きさが
日本以外の東アジアの大都市の特徴です。
各都市では、高層ビルや最先端の商業施設など、
一面で東京や大阪に匹敵するような部分があるんですが、
あくまでそれは一面であり、そのすぐ横には、
日本では見ることも出来ない、という世界が広がります。

私が見てきた中で、この落差が最も大きいのが、
上海、バンコクの二大都市でした。
この二つの都市は、高層ビルと、日本の銀座のような高級商店街の近所に
廃墟のような住宅街が広がる、という壮絶な面を持ちます。
まあ、あと20年も経つとどうなるかわかりませんが…。

同じアジアの都市でも香港、ソウルなどは、
それほどではありませんが、
それでも最先端の商業施設や高層ビルと、一歩裏に入ると
人が住んでるのが奇跡、というようなビルが普通にあったり、
中心部と言っていい地域でも未舗装の道路があったりと、
やはり欧米の都市や東京とは違う面があります。

都市全体が同時進化してるのではなく、
一部が進化して取り残された部分と巨大な落差がある、
という感じでしょうか。

進化の落差、という点では、
アメリカの東海岸の都市やロンドンも似た部分があるのですが、
こちらは取り残された部分も100年前にキチンと建てられた建物、
といった世界なので、逆にそれが都市に深みを与えてたりしますね。
(例外もある。90年代のアメリカでは明らかにスラム化してた地域があった)
古い建築物が単なる廃墟となりやすいアジアとの違いでしょうか。
(上海は皮肉にも租界時代の立派な建築が街に奥行きを与えてるが、
現状、これを破壊しまくってるから、間もなく貧乏臭い街になるでしょう…)

この点、ロンドンを見るたびに浄化が終わった腐海のような街だな、と思ったりします。
この点は東京もまだまだで、その域までは、あと50年かかるでしょうね。


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