■タイのタブレット



ちなみにプラットホームも欧米式で地面の高さですから、
上り下りのホームの間は歩いて行き来できます。
手前に居るのは駅員さん。



駅の上を立派な歩道橋が走ってますが、
先に見たようにあれはホテルに行くものであり(笑)、
駅に降りてくる歩道橋は、その外側のむき出し状態のもの。
こちら側からだと、反対側で見えませんが。

で、ふと見るとホームの隅にこんなポールが立ってます。

なんだこれ、と思ったんですが、右側の張り出しは
ひょっとしてタブレットの輪っか部をひっかけるためのもの?

列車の衝突事故を避けるため、
区間内に他の列車を入れないようにするのが駅の閉塞装置で、
その鍵にあたるのがタブレットです。
閉塞装置が作動してる区間内では、
これを持った列車しかその区間内に入れません。
(通常は信号装置による進入禁止なので、強制排除されるわけではない)

タブレットの受け渡しは、閉塞装置が自動化される前、
日本でもローカル線などで見かけたものでした。
タイの鉄道、そんなに自動化されてるとは思えないですから、
まだ使ってるのかな、と思って見ていると…。



特にそこに何も引っ掛けられないまま、バンコク行きの列車が到着。
あれ、となると見かけによらず自動閉塞装置なのか。

ちなみにご覧のように電線は無く、
全区間未電化であり、すべてディーゼル列車、
あるいはディーゼル機関車に牽引された客車による運行です。
これはディーゼル列車のタイプ。



…と思って振り返ったら、係員の人がタブレット入れ持って立ってました(笑)。
上の部分が先に見たポールに引っ掛けるための輪で、
一番下のバッグの中にタブレット本体の金属板(Tablet)が入ってます。

まず、列車が区間内に入ると、駅員さんによって
入口の信号機が赤になり、その区間の閉塞が行なわれてます。
後は列車の運転手が次の駅(閉塞区間の長さによってはさらに先)に
タブレット持ってゆき、そこの駅員さんに渡します。

その駅で受け取ったタブレットを閉塞器に入れると、
その区間入口の信号が青になり閉塞が解除されるわけです。
実際はもうちょっといろいろあるようですが、よう知りません(笑)。
とりあえず、同じ区間内に複数の列車が入らないようにし、
衝突事故を防ぐのが閉塞装置という仕組みで、その鍵がタブレット、
それがあの魔法のポシェットに入ってる、という事になります。



で、走りこんできた列車の運転士さんが、
パシッとその輪部分を掴んで持ち去り、
タブレット入れの受け渡しは無事完了。
おお、カッコいいじゃん、と思ったり。

タイもIT化が進んでいて、以後、さまざまな電子タブレットを
街中で見かけましたが、最初に見たのは、
この鉄道のタブレットだったのでした(笑)。


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