■ラストスパートへ



こちらは二度目の登場となるデ・ハビランドのDHC-1 チップムンク。

微妙に異なる塗装で同じ機体を並べて微妙に展示機を水増しする、
というのもここの展示法の特徴のひとつですね(笑)。



こちらはパイパーL-4 グラスホッパー。
アメリカ軍の連絡&偵察機として有名なもの。

2万機近く造られたと言われる民間用小型機、
パイパー カブの軍用型がL4ですが、これも視界確保の関係で、
客室後部の設計が大きく変更されています。

もともと極めてチープな構造の機体ではあるんですが、それにしても
この展示機のコクピットより前はいくらなんでもベコベコ過ぎるので、
おそらく痛んだ部分を適当に修復しちゃったんじゃないかなあ、という気が。



何の説明もなしに展示されてましたが、例によって展示機水増し用(笑)のセスナO-1。
まあ、同じ機体を2機展示してはいけない、とする合理的な理由は無いのですが、
ここまでやってる博物館はさすがにちょっと珍しいと思います(笑)。

ii

こちらも前線用連絡、偵察機としておなじみのL-5 戦地寝る、否、センチネル。
この手の簡易連絡機はアメリカ軍が大好きで、
第二次大戦期に似たような機体を造りまくったのですが、
そのほとんどが当時あった民間機からの転用、あるいは改造したものでした。

そんな中でセンチネルは最初から軍用として開発され、
その後も民間型が存在しなかった珍しい機体となっています。
(ただし戦後、払い下げの機体を民間機としたものはある)

でもってタイ空軍では1947年にビルマ(現ミャンマー)にいた
イギリス空軍から10機購入したものだそうな。
連中が引きあげて行く際に、安値で叩き売っていたものかも知れません。
(ビルマは1948年に独立だがイギリスの撤収はその前に始まっていたらしい)



タイ空軍、こんな機体も運用してたのかシリーズその3569番、
シアイ マルケッティ(SIAI-Marchetti) SF-260MT。
(ただし現在のメーカー名はアレニア アエルマッキ/Alenia Aermacchi)

日本ではなじみのな無い機体ですが、インドネシアや、
フィリピン空軍も運用してますから、
熱帯アジア地区では意外に人気のある機体なのかも。

1964年に初飛行したイタリア製の小型機ですが、
タイ空軍は1972年から12機、そして例によって後からさらに6機を
練習機として購入してます。
が、これは前回見たタイ国産機でチップムンクのコピー機でもある、
RTAF-4と全く同時期の導入とほぼ同時です。
一体全体、タイ空軍ではどういった初頭練習機の構成になってたんだか、
どうにもよくわかりませぬ。

なんだかいろんな機体を、少しずつ購入する、と
いうのがこの空軍の特徴ではあるんですが、
維持管理、コスト、あらゆる面で無駄が多いように思うんですけどね。



でもって、これも2回目、RT-33A。
T-33の偵察型ですが、前回説明したように、
機首の左側にカメラ用の大きな窓があります。
ついでに、この角度からだと、機首下のカメラ窓も確認できます。

RT-33Aは複数のカメラを積めたという話もあるので、
下のカメラ窓はロールフィルムによる連続撮影用でしょう。
横の窓は例のスピットファイア偵察型と同様に、
これも機体を傾けて目標を撮影した大型カメラだと思いますが、
ここら辺りもあまり資料が無く、断言はできませぬ。

ちなみにこの横には、2機目のT-6 テキサンもあったんですが、
もういいですよね(笑)?


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