■意外に他では見れない連中
でもって、さらにボロボロになっていて悲しくなったのがこれ、
イギリス海軍の艦上戦闘機、フェアリー ファイアフライのFR.1。
この写真では判りにくいですが、主翼が少し歪んでしまっています…。
以前はちゃんと屋内で展示してたのになあ…
艦上戦闘機である以上、これも海軍機ですが、
タイ空軍では1951年からの4年間、12機ほど運用してました。
はい、これも1951年からですから、タイ海軍からの押収品です。
こちらは解説板にその辺りの遠まわしな説明があり(笑)、
海軍が1949年に購入した機体を1951年に空軍が引き取った、と書かれてます。
まあ、クーデーターに失敗した海軍から押収した、とは
さすがのタイでも堂々と書くのははばかられるようです。
ちなみにコクピット部にカバーが掛かってしまっていますが、
ファイアフライは前後に2人乗りの機体です。
さらに、これで高さ2mを軽く超えるUSSRによる撮影ですから、
いかに巨大な単発機なのかがわかるかと。
でもって、最初に書いたように、艦上戦闘機なんですよ、これ(笑)。
一応、偵察、索敵も任務に含まれていましたが、
本来は戦闘機として開発された機体です。
強力なグリフォンエンジンを搭載していたとはいえ、
さすがにどう見ても戦闘機としては重すぎ、デカ過ぎで、イギリス海軍が、
いかに航空戦はシロウトだったか、というのがなんとなくわかります。
ちなみに、初期のグリフォンは1700馬力ちょっとしか出力がないので、
この巨大な機体からすると、完全に非力といわざるを得ません。
大戦末期の機体で、戦闘機としての実戦には間に合わなかったのを
イギリス人は実に残念だったと言ってたりしますが、
どう考えてもむしろ幸運だった、と言うべきでしょう(笑)。
実際、イギリス海軍自身、どうも使い道に困ってたような印象があり、
大戦中は偵察と対Uボート探索などにしか投入してないようです。
さらに朝鮮戦争では最初から攻撃機に転向させて運用してたようですし…。
ついでに引き取ったタイ空軍でも運用に困ったのか、
主に射撃訓練用の標的を曳航するのに使われていた、
という話もありにけり。
こちらは私はよく知らなかった機体、ヘリオU-10B。
民間用の小型機らしいですが、一部がアメリカ空軍に採用され、
ベトナムに持ち込まれてるみたいなので、それを供与された機体だと思われます。
残念ながら全く知らない機体なので、特に書くことがありませぬ(手抜き)。
でもってこちらは世界でおなじみT-6
テキサンさん。
戦前に生産が始まった傑作練習機で、戦後になっても日本の航空自衛隊を始め、
ここタイ空軍ででも使用されたチョーベストセラー機。
後にP-51ムスタングとF-86セイバーでアメリカ空軍を支えることになる
ノースアメリカン社の出世作でもあります。
ここまで有名な機体ですし、何度も紹介してるので、
特に書くことは無いですね(チョー手抜き)。
ここで早くも暑さに負け、クーラーの効いてる1号館(仮称)の中に逃げ込む。
すると地元の小学生らしき子供たちが集団で見学中でした。
以前はヒマそうなオッチャンとか、バスで乗り付けて15分で帰っちゃった中国人団体観光客とか、
そんなのばかりでしたから、やはりこの施設の存在が徐々に浸透しつつあるのかも。
イギリスでもアメリカでも、航空博物館は学校見学の人気コースでしたから、
タイでもそうなりつつあるんですかね。
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