■ひたすらヘリコプター
こちらも世界中の博物館でおなじみ、空飛ぶカバ面、
シコルスキーのH-35ことS-58。
(シコルスキーS-58の空軍型の呼称がH-35)
横から飛び出た排気管でわかるようにこの鼻面には
第二次大戦機のような星形エンジンが入ってます。
なので小型なガスタービン(ターボシャフト)世代の
ヘリコプターと違って、エンジン用空間を確保するため
コクピットは二階に押し上げられてるわけです。
ちなみに先に見たカマンの小型エンジン、ライカミングT53と、
この巨大な鼻面に詰まれたR-1820は出力的にほぼ同じです。
(800kW〜後期型で1000kW)
だったら重いしデカくて邪魔な星型エンジンをわざわざ使う理由は何も無く、
ヘリコプターのエンジンがあっという間にガスタービン(ターボシャフト)に
移り変わってしまった理由がよくわかるかと。
なんとなく後ろからも撮影。
単発で決してパワーのあるエンジンではないのですが、結構でかいのがこの機体。
ついでに尻尾を伸ばして、エンジンの回転トルクを
より小さいプロペラ(ローター)の力で相殺する、
というヘリコプターの基本的な考え方がなんとなく見て取れるかと。
こちらは妙に鼻の穴のデカい、シコルスキーのS-58T。
S-58は上でみたH-35と基本的に同じ機体ですが、
なんだか見たことのない鼻面であり、
それに横から飛び出してる排気管もちょっと変ですね。
なんだこれ、と思ったらなんとタイがS-58を現地改造し、
ガスタービン(ターボシャフト)エンジン搭載にした機体なのだとか。
1978年〜79年まで数機が改造されたらしいですが、よくやるなあ…
…最後のTはひょっとしてタイのT?
こちらはシコルスキーH-19ことS-55。
例によってH-19は、シコルスキーS-55の空軍名称。
先に見たS-58の先代と言える機体で、朝鮮戦争で活躍したヘリコプターです。
これも鼻面に空冷星型エンジンのR1340が入ってます。
朝鮮戦争世代のヘリコプターですが、
この機体も世界中でおなじみですね。
所沢の博物館にもありますし。
その内部。
イスは作り直された形跡が感じられます。
これが意外に広くて、R1340のエンジン単発で、
これだけの人員が運べるなら、
ヘリコプター、意外に経済性いいな、と思ったり。
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