■ヨーロッパから来た戦闘機
こちらは、こんな感じにF86以降の
タイ空軍ジェット時代の戦闘機たちの展示になってました。
画面には見えてませんが入口左右にF-5が居て、さらにここにもF-16が。
で、ここで右奥を見るとなんだか見覚えのないシルエットの機体が。
なんだ、これと見に行くと…
あれま、サーブ JAS39 グリペンじゃないですか!
しかもスウェーデンのラウンデル(識別用国章)入り!
ここで初めてタイ空軍がグリペンを導入してるのを知ったのですが、
2013年秋までに12機(C型×8 D型×4)を購入したんだよ…って、
完全な新鋭機じゃないの!
そんな機体がどうしてスウェーデンのラウンデル入りで空軍博物館に?
とりあえず解説にはスウェーデン政府が
展示用に寄贈してくれた機体でガンス、としか書いておらず。
いや、タダで最新戦闘機をくれたりするもんなんですか?
12機買って1機オマケってチョーお買い得じゃないですか。
なんだよ、ロッキードもアメリカもそんなサービスないぞ。
航空自衛隊は買い物がヘタすぎるぜ、とか思う。
ちなみにタイ空軍では現在さらに6機の導入を検討中らしく、
これもプレゼントの成果だとすると、スウェーデン商売上手だなあ。
Serial 39178はサーブによる正規生産ナンバーですから、
少なくともモックアップ(実物大模型)ではなく、ホンモノです、これ。
39178号は一度スウェーデン空軍に納入されてるので、
バリバリの現役機のはずなんですが、
なんでタイにプレゼントされてしまったのかは、全くわからず…。
どうも先行量産型のA型のままらしく、本来なら後から
C型にヴァージョンアップされてるはずなんですが、
何らかの理由でアップグレードされずに、ここに寄贈されたんでしょうか。
とりあえず高価なレーダー類は抜かれてる可能性がありますが、
それでもコクピットのHUDなどは付いてましたから、いい値段しますよ、これ。
チョー太っ腹ですね、スウェーデン政府…。
そして、後ろには回れないものの、これだけ間近で
グリペンを見られる博物館というのも、ある意味スゴイな、と思う。
私の場合、機体そのものが初見でしたしたから、まあビックリ(笑)。
でもってグリペンは、驚くほど小さな新型戦闘機でした。
実際、全長で14m、全幅8.5mだと、F-5Eとほぼ同じサイズです。
いい感じですね(笑)。
少なくともF-35より100倍戦闘機らしい戦闘機だと思います。
また、写真では判り難いですがコクピット横に小さな補助翼が出ているという
ヨーロッパスタイルの多用途戦闘機でもあります。
この小型翼が高い迎え角を取った時に渦を生み出すため、
先に見たLERXと同じ効果を発生させるわけです。
ちなみにコクピット見学用の階段が付いてますが、
この日も翌日も使用禁止でした…。
その前にはまたもやF-16Aが。
なんでこんなに退役が進んでるでしょうね、この機体(笑)。
グリペンは数からして、未だ現役のF-5Eの後継機だと思うので、
F-16の退役が進む理由は無いはずなんですが…。
ついでにこの展示機も主翼のラウンデルが消されてます。
これまたなんでなんやろ…。
こういった角度からF-16を見れる博物館も珍しく、
ホントにタイってのは不思議な国だと思ったり。
真横から主翼と機体を見るとこんな感じ。
…さて、皆さん気が付きました(笑)?
主翼端の向きと機体の向きが微妙にずれて
両者が平行になってないのがわかるでしょうか。
これ、デルタ翼のネジり下げで、ゼロ戦だけでなく、
こんな機体でも高迎角の翼端失速防止用にネジり下げを採用してるのでした。
ただし、何度も書いてますが、主翼のネジり下げは
ホリコシさんが発明した技術でもなんでもないので、
これ見てゼロ戦の技術が現代にも!とか言い出すのは無しにしましょうね。
いやもうホントに…。
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