■リボルバーの究極系



でもって、なぜかその横にあるのは(笑)、
M39 20mmリボルバー式連射砲。
これ、戦後にアメリカで採用された航空砲ですが、
なぜこの時代の展示コーナーにあるんだろう…
とりあえずタイ空軍の場合だと、F-5に搭載されていたものでしょう。

この20mm砲はちょっと説明が面倒でして
一見するとただの機関砲に見えますが、
実はリボルバーカノンと呼ばれる形式のものとなってます。
これはガトリング式連射銃などと同じく、
英語圏では機関砲(Machine gun )とは別分類になりますが、
その構造は見て判るとおりガトリング砲、ヴァルカン砲とも
全く別物となっています。

これはリボルバー拳銃のような筒部(シリンダー)が
銃身の後ろについていて、これが回転しながら、
次々と弾の装填と排莢を行なうタイプの連射砲なのです。

回転しながら装填、排莢作業を平行して行なうため、通常の機関砲より
高速射撃が可能になってる、という連射砲ですね。
ただし、どれくらい高速なのかは私も知りませんが(笑)。

とりあえず、これを積んでいたF-100やF-5は
単純な20mm機関砲ではなく、かつヴァルカン砲とはまた違った
高速連射砲を搭載していたわけです。

もっともその後、世界の空はヴァルカン砲など
ガトリング式連射砲の天下ですから、やはり射撃速度で劣るのか…。



写真の右側が銃身部。
矢印の部分が回転する筒部(シリンダー)で、
よく見るとリボルバー拳銃のシリンダーに似てるのがわかるかと。

後ろに見えてる給弾部からシリンダーに弾が入ると、
そのまま回転して銃身の後ろに行き、そこで弾を撃ち出した後は
さらに反対側まで回転して排莢されます。

発射の度に薬室で装填→排莢が行なわれる機関砲と違って、
それらがリボルバーの両側で同時に行なわれるため(中央の銃身位置で射撃)、
高速射撃が可能になる、って事なんですが、
ヴァルカン砲などに比べると、構造的に限界は低そうな気も…



ちなみに銃身の付け根にLOCKの文字があるんですが。
こんなところに安全装置が付いてるんですかね。

あるいは高速射撃を単銃身でやってる以上、磨耗による交換が頻繁であり、
そのために簡単な取り外しができるようになってるロック機構?



銃身の分厚さと、20mm機関砲の弾のデカさを見といて下さい。
20mm弾は軽くオロナミンCのビンくらいの大きさがあります。
ちなみに実際の砲弾ベルトは一定の数の中に曳光弾(Tracer)、
すなわち光りながら飛んでいって、
弾道が確認できる弾を混ぜるため、このようにベルトの中に同じ色の弾頭が
ズラリと並ぶ事は無いはずですが…。

で、ふと見るとあれ、ちびっ子が集まってるぞ。



で、その中の一人、青い服の子が何か話しかけてくる。
これは!犬猫と来て、次はちびっ子モテモテか!来たか、俺の時代!
と思ったんですが私はタイ語がわからない。

トホホホ、と思いながら、ワタシ、タイ語わからないアルヨ、と英語で答えると、
ねえ、これって何の飛行機?と
キレイな英語で応えが返って来てビックリあるよ(笑)。
おお、坊や、君とはコミュニケーション可能だぜ。

今まで秘密にしておりましたが
ワタクシの長年にわたる秘密研究によれば、小さな子供からは
“我と来て遊べや知恵のない大人電波”が大量に放射されており、
ワタシのように子供の知能と大差がない知恵の無い大人は
これを受けると意味も無くウレシクなってしまう、というのが判明しております。

なので会話が可能となると、
言われるままにホイホイ付いていってしまい、
請われるままにいろいろ説明をしたのですが、坊や、
オッちゃんが君の質問に答えて説明中に
とっとと走って次の展示に行くのは、なんとかならんかね。

あとそれは爆弾だよ。水筒(Warter bottle)じゃないよ。
ホントだよ、オッちゃんの全人生かけても断言するよ。



そんな感じでこの子達と20分近く
航空機とは、戦争とは、愛とは何か、について話し合う事に。
もっとも大半はこんな感じで連中、
人が説明中にどんどん次に行ってしまうんですが…。

あのな言っちゃあなんだが、この二つの機体について、タイ国内に
これだけ説明できる人は居ないと思うぞ。
オッちゃんの話、意外に貴重なんだぞ。

ちなみに手前に居るのは二人の少年のオバアちゃん。
いきなり日本人ですか?と聞かれてビックリするも、
英語のナマリでわかるのか。

ちなみに少年はオーストラリアで生まれ育ち、
最近タイに帰って来たんだとか。
それにしてはキレイな英語を話すから
(空港放送で聞くようなインターナショナル英語だった)
よほどいいとこの坊ちゃんなのか?

ついでに手前のイガクリ君は英語少年の
従兄弟だそうですが、彼は英語は話せず。
ただ、常にニコニコしながら人の話を聞いてくれるので、
こっちも意味も無くニコニコしながら話かけるのでした。
全然、会話は成立しないんですけどね(笑)。


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