■見学開始



というわけで早速見学に入りましょうか。
とりあえず入口正面にある展示棟1号(仮称)からスタート。




ちなみにその入口前に置かれてる例のF-5がこれ。
で、これはタイ空軍のF-5E用迷彩ですが、実際の中身はA型ですね(笑)。

私も危うくダマサレかけましたが、こういった適当な塗装再現を
この博物館は兵器で、否、平気でやるので油断がなりません。
近くで見るとその小型さがよくわかります。

40人位でワーッとやって来たら、これ担いで逃げれちゃうんじゃないでしょうか(笑)。



入口を入るとデーンと壁掛け展示されているのもまたF-5のA型。
よほど余っていたのかなあ…。
ちなみにここは以前、事務所と地味な売店があっただけのホールで、
この大胆な変身振りに驚きました。
どうもこの博物館も2012年のタイ空軍100周年にあわせ、
大幅に改修されたようです。

ちなみにこの機体の裏には2階部分の空中廊下があって、
上から展示場を見下ろせるのですが(手すりが見えてますね)、
例によって解放されてるかは気分次第のようで(笑)、
この日は立ち入り禁止、翌日は普通に入れる、という状態でした…

ちなみにこの機体、展示のため床と干渉する、
右の主翼と水平尾翼の一部をカットされてしまってます。
でもって、その前にあるのは例によって記念撮影用の舞台(笑)。

F-5、やはり小型で場所を取りませんから、こういった展示が可能なのでしょう。
かつてはその発展型のF-20(自称Fナンバー。正式採用は全くされてない)が
カリフォルニアの自然史博物館で、同じように壁掛け展示されてましたし。
(その後、空中からのぶら下げ展示に変更されたらしいが私は見てない)

ついでながらA型は不整地離着陸が出来たはずなので、
そこらあたりの原っぱに私設空軍とか造れちゃいそうな気もします(笑)。
ちなみにE型でも新品が200万ドル前後で買えたらしいですから、
アメリカ辺りの大金持ちなら小隊位は軽く揃えられそうな気が…。

ついでに機体を入口の壁に貼り付けちゃう、という演出は
RAF博物館ロンドン館のスピットファイアのパクリでしょう。
機体の色まで同じだし。



ただしこのおかげで、なかなか見れないような角度から
この機体を見る事が可能です。
一番手前、垂直尾翼のテッペンに付いてる楕円の板はA型にのみあり、
後期型のE型以降にはない部品です。
なんらかの空力対策のものなのか、
アンテナの類なのか、よくわかりませんが。

ついでに、主翼部分の胴体がギュッとくびれてますが、
これは音速を突破するためのエリアルール1号(仮称)対策ですね。
機体の前部から後部にかけ、正面方向から見た時、
途中で断面積に大きな増減の変化があると
音速突破時に大規模な抵抗増加が発生するよ、
というのがエリアルール1号(仮称)です。

なので急激な断面積上昇が起きる主翼部分で、
胴体を凹ませて帳尻を合わせ、その対応としてるのです。

ただしこれ、音速突破の時、つまりマッハ1の時のみ有効な対策で、
それ以上の超音速を目指す場合、実は効果がありません(笑)。
なのでこれ以降の世代の超音速機では見られなくなった構造となってます。
それら新世代機はエリアルール2号(仮称)に則って設計されているのです。

ここら辺りは以前に書いたここら辺りの記事を読んでみてください。



その横に置いてあったイスはベルトがついてまして、
輸送機か何かから外したものかしらむ?

ついでに、そこに貼られていた写真、
B-24は大戦中にRAF(イギリス空軍)や米陸軍がインドから
タイまで何度か爆撃のために飛ばしてるのでわかりますが、
B-17はほとんどタイ空軍とは交戦してないのでは…?


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