■どうも微妙



その先にあった恐らくベトナム戦争の時の
パトロールボート、PBRらしきもの。
ベトナムの河川で使われたボートで、
もともとはアメリカ海軍が開発した河川用武装小型艇です。
タイはベトナム戦争にも参加しており、
その時に供与され、使用したものでしょうか。

王国であるタイの支配者階級にとって、労働者階級による権力奪取と、
国家を超えた連携を目指す共産主義は身の毛のよだつような敵でした。
このため中国からの共産主義の南下に対し、
タイ自らが積極的に対抗した形跡があります。
彼らにとってベトナムの共産化阻止は極めて身近で、深刻な問題で、
その戦争への参加は必然だったわけです。

ちなみにモンゴル、中国、そして東南アジアにおける
第二次大戦前後からの共産主義化は
共産主義を少しでも知ってる人間からすると、普通、理解に苦しみます(笑)。

そもそも共産主義社会というのは、
資本家が居て、社会の工業化がなされてるのが大前提のはずでした。
そんな社会で働き、資本家から搾取される立場となる労働者のための
経済的、社会的問題を科学的に(ただし限りなく自称)救済するのが
マルクスとエンゲルスが唱えた共産主義なのです。

となると工業化以前の社会、放牧しか産業が無いモンゴル、
農業国でしかない中国と東南アジアが共産化される、というのは
海の無い群馬県に豪華客船ターミナルが作られた、
というくらい変な話となって来ます(笑)。

この点を理解するには、帝国主義による植民化、
というアジアの歴史を考える必要があります。
これらは欧米の資本家、資本主義社会によってなされた行為です。

よって当時、欧米列強、さらには日本による帝国主義的侵略、
そして植民地化に苦しめられていたアジアの国にとって、
その資本主義に対抗すべく考えられたという
共産主義は無条件に魅力的でした。
はっきり言って、それだけです(笑)。

毛沢東が書いたとされるもの(恐らくは別人だろうが)を読んでも、
彼はほとんどマルクスの経済理論を理解してないのがよくわかります。
他の連中も似たようなものでしょう。

なのでマルクスとエンゲルスによる、
何が言いたいのかよくわからない(笑)
著作物の大群を理解してなくても誰も疑問を感じてませんでした。
よくわからんが、共産主義はとにかく正義なのだ、
という雰囲気が当時のアジアにはあり、
それによってなされた不思議な共産化が、
アジアにおける第二次大戦後の特長とも言えます。
(キューバも似た部分があるが…)



ちなみにこれ、本体はホンモノだと思いますが、
機関銃とかは発泡スチロールか何かによる完全なハリボテで、
もはやしなって曲がってしまっています…。



お次は車両類。
これは駐車場らしき場所にあったので、展示ではなく、
現役車両らしいのですが、ダイムラーベンツのウニモグですね。
この車両では、なぜかフロントのベンツマークが外されてしまってます。

1970年代に生産されたU1100/Lを軍用にしてしまった
タイプだと思いますが、詳細は不明。

海軍のとこでも書きましたが、とにかくいろんな国の
いろんな兵器を購入してるのがタイの軍隊の特徴です。
陸軍も例外ではないようで、
まさかウニモグを見る事になるとは思ってもいませんでした。


トラック界のスーパーカブという印象があるウニモグですが、
近年のタイプのデザインはあまり魅力的ではなく、
この頃の質実剛健なスタイルが個人的には好きですね。

この車両もそれなりにキレイに維持されており、
タイの人はホントに車を大切に乗ってるなあ、と思う。


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