■初戦はM-24



近づいて見ると、やはりアメリカ製のM-24チャーフィー戦車でした。
あまりなじみがありませんが、第二次大戦にも投入されている戦車で、
1945年のバルジの戦いの段階では既にヨーロッパ戦線には居たはず。
ちなみに戦後は日本の自衛隊も使ってたりしますね。

後の空挺戦車とは違って、普通に戦車なんですが、
M-4シャーマンに比べるとかなり小型で、
アメリカがこんな小さな戦車を造っていた、というのは
ちょっと意外な感じもします。




しかしこの展示、ただの基地の飾りというかゲートガードにしては
チョーノリノリで、台座は造ってしまうわ、第二次大戦時代の戦車に
デジタル迷彩をやっちゃうわ、やりたい砲台、否、放題でございます。
この好き放題に塗装してしまう、というのは
タイの兵器遺産の困った特徴の一つで、
これさえなければなあ、といつも思います…。

ちなみにタイの歴代主力戦車は
M-24、M-41、M-60とアメリカ製だったのですが、
現在配備が進んでる次期主力戦車はなんとT-84、
ソ連時代のT-80をウクライナが独自改良した戦車だったりします。
タイ陸軍は、これを最終的に200両前後購入するようです。
2014年には一部の配備が始まっていたようですが、
ちょっと見てみたい気もします、この戦車。

ついでに空軍もヨーロッパ製の戦闘機の採用を決めてるんですが、
その機体が早くも空軍博物館に収められていて
後ほど驚く事になります。



さて、気が済んだしそれほど資料製のある展示でもないので速攻で移動、
バス停で34番のバスに乗ってナショナルメモリアルを目指します。

で、席に座ってしばらく待ったんですが、
あれ、集金の車掌さんが来ないぞ。



おかしいな、と思って車掌さんが居るはずの一番前の座席を見ると、
あれ、普通のお客さんが座ってますよ。
…どういうこと?

最初は何らかの事情で車掌さんが乗り遅れた?と思ったんですが、
最後の最後まで車掌さんは乗ってこない。
なんなんだ、これと驚いたものの、
誰も平気な顔をして乗ってるのでこういうものらしい。

どうもよくわからんな、と思って後でホテルに帰ってから調べて見ると
バンコクのいくつかのバス路線には一定の割合で運賃無料、
というスゴイバスが走ってるのだと知る(笑)。

どうも低所得者対策というか一種のバラマキ政策のようなんですが、
海外からの旅行者が乗るのはなんか申し訳ない気もします。
ちなみに無料だから他のバスより大混雑、という事も無く、
なんとも不思議な感じがありました。
もっとも、無料といっても元々が8バーツ(約28円)ですから、
微妙なとこではありますが…

ついでに、この無料バスの運行法則も謎で、
この日は最終的に3回バスに乗ったのですが、全てが無料バスでした。
ところが翌日は行きも帰りも有料のバスになってたのです。

同じ路線で、運だけでこれほど明確に差が付くとは考え難いので、
日ごとに特定の路線が無料になる、とかやってるんでしょうかね。



この段階ではそんなことはわかってませんでしたが、
最前列の席が間もなく空いたので、
最前列大好きの私としては、速攻でそちらに移動します。
エンジンの横(白いのはエンジンルームのカバー)はうるさいかな、
と思ったのですが、他の席とそれほどの差は無かったです。

で、横を見ると運転手さんが、イヤホンで音楽聴いてました…
まあケタタマシいクラクションの音とかはそれでも聞こえるんでしょうが、
なんともフリーダムな運転姿勢ではありますな。


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