■それは新旧混在で



海図台にはこのチャオプラヤー川河口部の海図が。
川の入口左岸にこの要塞があります。

こうして見ると遠浅の岸だけに、航路は極めて狭いものになってますね。
あまりにキレイなラインなので人工的に掘削したのかも。



後ろの壁面にはズラリと電気関係の装備が。
これらはほぼ全て戦後に搭載されたものでしょう。
この壁の後ろが先に見た艦長室か海図室か謎の部屋。



操舵輪周りはこんな感じ。
なんだかヤケに凝った構造で、これだけゴチャゴチャした操舵輪、
この形状、個人的にはバルタン星人を連想しました。

もっとも船の博物館で展示されていた南極観測船 宗谷の
操舵輪がこれとそっくりな構造ですし、
昭和20年ごろの日本の海防艦も似たような形状の操舵輪でした。
よって、これが日本海軍の標準的なレイアウトだと思われます。
(宗谷はこの艦から1年遅れの1938年に完成。あれも海軍が使った船だが、
もともとはソ連向けの商船だったので、軍艦として建造された船ではない)

アメリカの場合、この周辺にカバーをつけてしまうのですが、
日本艦ではむき出しが普通のようです。



いろいろ付いてる計器類は、一番上がレピーター・コンパス。

レピーター・コンパスは艦内にあるマスター・コンパス、
すなわちもっとも正確なジャイロ・コンパスから信号を受けて、
全く同じ方位を示す子機ですね。
戦前からあったのかも知れませんが、
これはプラスチックの容器に入ってましたし、
おそらく戦後製のものではないかと。

真ん中の時計の長針みたいなのが
現在の舵の角度を測るもので中央に来てれば
舵は中立、直進状態となります。

下にある二つのメーターは
左がイギリス製のkg/立方メートル単位のもの、
右がドイツ製でkg/立方インチのもの。

この艦はピストンエンジンと
補助の蒸気タービンを搭載していたようですが、
ここで補助の蒸気タービン用ボイラーの圧力を見ても意味が無く、
さりとて気圧計も必要とは思われず、
正直、このメーターの意味はよくわかりませぬ。

ただし、これも当時の日本の軍艦ではよく見られるものなので、
何らかの意味があるとは思うんですが…。



後ろから見ると、よりメカニカル。
レピーターコンパス繋がるケーブルは
マスター・コンパスからの信号用でしょう。


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