■ある意味スミソニアン以上
でもって、その先はさらに怪しい一帯で、仏具屋さんというか、
宗教用品屋さんというか、そんな一帯になってます。
…これを買って帰って、家に飾るのかなあ、タイの皆さん…。
あるいは外人さんへのお土産用?
さらに右奥のはどうもゴムのマスクのようで、これ被って何をするんでしょう…。
でもって、今回、個人的にもっとも衝撃を受けたのがこのお店。
残念ながらまだ開店前だったのですが、そのショーウィンドー内がすごかった。
まずはこれ。
1970年代末から80年代前半に流行した任天堂のゲームウォッチです。
1983年にファミコンが発売になった後、しばらくして日本での販売は終わるんですが、
まだまだ需要があった海外では販売が続いてた、と聞きます。
タイでも結構流行ったんですかね。
ちなみに、左でNEWの文字が付けられたのは最後のゲームウォッチで知られる、
日本未発売のマリオジャグラーで私も現物は初めて見ました。
調べてみたら1991年発売なので、NEWは一種の冗談なのか、
あるいは未だに海賊版が生産されてるのか…
その下はさらに泣けます。
中央下の白い筐体(きょうたい)はセガの最後のゲーム用ハード、ドリームキャストですが、
これ、通常のものではなく、ソフトメーカー用の開発機、Dev.box
じゃないですか。
これで直接開発するのではなく、Windows
パソコンに接続してデバックなどに使うのですが、
なんでこんなものがバンコクのお店に…。
一般の市販はされてないはずなので、オークションとかで流出品を手にいれたのかなあ。
でもって、その左の黒い箱も涙なしでは見れないもので、シャープの8ビットパソコン、
X-1シリーズの特異点、X-1twinですぜ、これ。
ゲーム機のPCエンジンが内蔵されてる、という変なパソコンですが、
今から見ればおもちゃ以下の8ビットパソコンですから
搭載されてるのはソフトウェアエミュレータなどではなく、
ゲーム機PCエンジンのハードがケースの中に丸ごと入ってました。
それに何の意味があるの?と聞かれると、私にもよくわかりませぬが(笑)…。
調べてみたら1987年の発売ですから、当時のタイで売られていたとも思えず、
これも何かのオークションで手に入れたのかなあ…。
ついでに、その上に載ってるのは、
そのPCエンジンの開発を行っていたハドソンの看板キャラ、ボンバーマンです。
こっちはさらにスゴイ。
一番下、右端のオレンジの筐体は日本の家庭用TVゲームの始祖の一つ、
1979年発売のエポック社 テレビブロック。
中身は世界的大ヒットになったアメリカ アタリ社のポンなんですが(正規ライセンスによる)、
当時のちびっ子(筆者含む)は日本製のゲームだと思い込んでました。
この誤解は後に仕事でテレビゲームの歴史を調べる羽目になって驚愕とともに訂正されることに(笑)。
いわゆるブロック崩しゲーム専用機なんですが、
そもそもブロック崩しという呼び名はアタリのポンを無断でパクった
当時の任天堂の商品名だったりして、
ここら辺りは別の意味で、ちょっとややこしかったりもします(笑)。
その左に並ぶ黒いゲーム専用筐体二つのうち、
左側はセガ メガドライブで、こちらは知ってる人も多いでしょう。
が、その隣、右側の少し小さな黒い箱は
当時を知る人でも、ほとんど覚えてないと思われる、
ファミコンの自称ライバルと呼ばれていた(涙)セガのマスターシステムです。
(そもそも発売の1年後には後継機のメガドライブが登場してしまう)
このマスターシステムは日本では事実上、忘れられたゲーム機でしたが、
海外では意外に好成績を収めており、
セガが当時の世界的ブランドにのし上がる原動力となってました。
で、そのセガの二台の後ろにゲームボーイがはめ込まれたミシンがあり、
なんだこりゃと思って帰国後に調べたら、
ジャガーミシンが発売していたゲームボーを接続して使う刺繍ミシン、
nuotto(ヌオット)だそうな。
そんなミシン、初めて知りましたよ…。
何者だ、ここの店主…。
で、そのミシンの左のオレンジのゲーム機はさらに驚愕で、これ、ゲームボーイの特異点、
マリオのセメント工場のテーブルトップ型です。
発売台数が少なくて幻のゲームウォッチとすら言われてたもので、
どうやって手に入れたんだ、これ。
つーか、ホントに何者だ、ここの店主…。
再度写真を載せて解説を続けると、次は右側の奥。
オレンジ色の三脚に乗った箱のようなものは、これまた一部で伝説のバーチャルボーイです。
任天堂の黄金期に出た色んな意味で伝説のゲーム機で、
あのオレンジの部分はモニタになっていて、左右に分かれた画面により立体映像のゲームができます。
1995年に発売されたものの、ほとんど売れず、
当時、ジャンキーと言っていいゲーム好きの集団営巣地のど真ん中で生活&仕事をしていた私も、
現物は数えるほどしか見たことがありませぬ。
ここまで来ると、ここのお店のオーナーの正体を知るのが怖くなって来ましてよ…。
日本でもこれだけのコレクションをもってる人、そうは居ないでしょうに。
ちなみに、左奥に見えてる小さな液晶画面、
PCエンジンLTかPS oneの専用モニタかと思ったんですが、どうも微妙に違う感じ。
なんでしょうね、これ。
自分で言うのもなんですが、私が知らないゲーム機にバンコクで出会うハメになるとはなあ…。
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