■ロンドンの基礎知識 2
このローマ時代〜ノルマンディ公による征服まで、ロンドンの中心部は大きく動いておらず、
大体1マイル(1.6km)四方の狭いエリアがロンドンでした。
以後、ここを中心部としてロンドンは発展してゆき、後にこの古いロンドンの中心部は
ロンドン市街区(City
of
London)として行政上も特殊な独立性を持つエリアとなります。
ただし、このエリアはあまりにも狭く、後に産業革命によって
ロンドンの爆発的な発展が始まると、とてもそれを収容することはできず、
テムズ川沿いにまずは東西に、そして北、最後は南にロンドン市街は拡大して行くのです。
なので私達がロンドンと聞いて思い浮かべるものの多くはこのエリアの外にあります。
タワーブリッジ、国会議事堂(ビッグベン)、トラファルガー広場、大英博物館、
さらにはバッキンガム宮殿などもこのエリアの外です。
ここにある有名な観光施設はセント・ポール大聖堂くらいかもしれません。
19世紀以降は事実上、金融街となったロンドン市街区(City of london)。
この通称シティ(The
city)は18世紀初頭の段階ですでに満杯です、というくらいに
開発が進んでしまっていたため、産業革命以降のロンドンの発展は、
ここを中心に東西と北に向けて行われる事になる。
18世紀後半からはテムズにかかる橋が増え、テムズ川南岸もロンドンに飲み込まれてゆく事になる。
ちなみにこのシティの昼間人口は約30万人、夜間人口は7800人だそうで、
絵に描いたような典型的なビジネス街となっている。
ピカデリサーカス周辺はロンドンの商業エリアの中心部(ここから東と北に広がる)。
こういったダウンタウンも17世紀以降に開発されたようで、シティの西側に位置する。
日本や香港などの大都市と違うロンドンの特徴は、ダウンタウンが一つしかない、という事で、
このエリアにコヴェント・ガーデン、ソーホー、オックスフォードサーカス、といった
ほとんどの商業地区が集中してる。全体を一通り歩いても40分程度の広さだ。
また、全体的には高級で、日本の新宿、池袋、あるいはミナミに近い繁華街は
ロンドンには存在しない。
銀座、六本木、渋谷、あるいは心斎橋周辺、といったダウンタウンなのだ。
日本語で言うと、つまらん、という事になる。
ロンドンは公園面積も広い。
が、これは都心に公園がある、というよりは郊外に造った緑地が
後から市街に飲み込まれてしまった、というのが近いだろう。
ハイドパークなどは現在でも中心部からはやや外れるし、
同じような規模のリージェンツパークもやや北のはずれに近い。
ビクトリアパークに至っては、イーストエンドのさらに東北側なのだ。
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