■撮影限界を突破して
一番奥に置かれてる機体、その1。
ホーカー ハリケーンのMk..I(1)。
Mk..Iはあまり見た記憶がないので、写真を撮って置きたかったのですが、
もはや肉眼でもあまりよく見えない、という明るさでは打つ手なし。
これが精一杯、というところになります。
この機体は1939年製でグロスター社の工場で造られたものだとか。
後にフランスに進出、そっからドイツに追い出されてイギリスに戻ってからは
バトル オブ ブリテンにも参戦という、それなりに歴史のある機体。
で、1944年4月の段階で、もうこの戦争は勝ったと判断したイギリスは、
バトル オブ ブリテンを記念して、それに参加した機体から
スクラップにせず、保管して残すものの選別をはじめるのですが、
そこでこのハリケーンも選ばれたとの事。
戦後はやたらと映画の撮影に使われており、
空軍大戦略(Battle
of britain)の冒頭、フランスから撤収する部隊のシーンで、
地上滑走してる機体の一つがこれだとか。
でもってこれが一番奥にあったHe111
F20。
真っ暗な上、撮影できる位置も限られ、どうしようもなし…。
独特な機首のスタイルで印象深いドイツの爆撃機ですが、
これも6000機以上生産されながら、まともな現存機はこの機体と
ノルウェーの博物館にある機体だけ、という貴重なもの。
それ以外の現存機は、戦後にスペインでライセンス生産された、
エンジン等が異なるCASA社の機体です。
ただ、このRAF博物館の機体は空挺部隊輸送用のタイプで、
通常の爆撃機型とはちょっと異なるHe111になってます。
1944年に製造された機体で、戦後、アメリカに送るため
ドイツで鹵獲されたのですが、輸送船に空きスペースが無く(笑)、
このためイギリスのアメリカ軍基地に運び込まれます。
が、その後、アメリカ本土に送る機会がないまま、
アメリカ軍の本国への帰還が進んでしまい、
この機体もスクラップにされるところだったのを、
イギリス側で回収、保管したもの、とのこと。
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