■最後の砦へ
さて、本館の出口の先、目の前には例のクシザシのハリケーンが。
その向こうに見えてるのが最後に残されたバトル・オブ・ブリテン館です。
前回、ほとんど見学できなかった施設でして、さあ、今回はどうなるか。
入り口はこんな感じ。
右も左もイギリスの戦い、です。
ちなみに正面の巨大モニターで流されてる映像、
何の説明もありませんでしたが、
これ映画の「空軍大戦略(Battlle
of Britain)」の空戦シーンのような…。
入り口からしばらくは、このなんかやる気のないドイツ青年をはじめ、
バトル オブ ブリテン当時の英独の市民生活、という感じの
マネキンさん展示がしばらく続きます。
問題はこの先、機体展示のコーナー。
前回はロープが張られていて見学できなかってんですが…。
おお、今回は普通に入れますね。
この施設、展示してある機体の数では本館の半分以下なんですが、
そのラインナップがすごくて、ドイツ機を中心に、
貴重な機体ばかり、となってます。
が、前回も外から見て感じてはいたんですが、
異常といえるくらい内部の照明が暗いのです。
撮影条件としては、私が訪れた事のある博物館の中では最悪。
結論から言ってしまえば、今回持ち込んだF2.0レンズコンビのLX-3&5でも、
かなり厳しい結果となりました。うーむ…
とりあえず、順番に見て行きましょう。
まずはこれ、入り口付近においてあるユンカース Ju87のG-2。
シカゴの産業科学博物館のB-2(R-2説あり)と合わせ、
世界に2機しかない現存機の一つです。
元々はD-5として製造されたもので、
後から主翼下に37mm砲を搭載可能なG-2型に改造された機体、とされます。
ドイツの場合、Fw190などでも改造による型番変更は多いですね。
当時を代表する急降下爆撃機で6500機以上造られた、とされながら、
現存機には全く恵まれてないのがこのスツーカ。
あまりにありふれた機体で、わざわざ保存しようと思わなかったのだろうな、
というのと、過酷な任務についていた機体ですから、
終戦までにほとんどの機体が戦闘で失われてしまった、というのもあったのでしょう。
ちなみにこの機体は終戦直後のドイツで鹵獲された、
と“考えられている”とのこと。
表現があいまいなのは、当時のイギリス軍もありふれた機体だったJu87には
まともに興味をしめさず、キチンとした記録を残さずに
ドサクサにまぎれて本国に送り込まれた、という部分があるようです…。
シカゴだと天井からぶら下げられてたので気がつきませんでしたが、
下のパイロットのマネキンと比べ、
単発機としてはかなりデカイ機体だ、というのがわかりますね。
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