■電子の用材



その内部。
事実上、空っぽといっていい状態です(笑)。

これはこの艦が記念艦になった当時、ここに搭載されてた機材はまだ機密保護の
対象だったため、根こそぎ撤去されてしまったからだとか。

かろうじて、奥のほうに一台だけ電波方位探知機( Radio direction finder/RDF )が見えてます。
敵の無線、そしてレーダーの電波などをこれで拾ってその方向を探し出す装置です。

艦隊にとって先に発見される、というのは一方的に不利となるどころか、
その存在に気が付く前に最初の一撃を食らう可能性すらあり、極めて危険です。

なので、このRDF (電波方位探知機)対策として、
作戦行動中の艦隊は無線を封鎖してしまうわけです。
ちなみにレーダーを使っても居場所がバレる可能性がありますが、
RDFではあくまで方向しかわからんのに対し(一定時間かければ距離も出るが)
レーダーは一瞬で方位と距離の両方を測ってしまいますから、
たとえ探知されても優位に立てる可能性が高く、通常は使用してたはずです。

さらに余談ながら、イギリスでは極初期の一時期、レーダーをRDFと呼称してた時期があります。
1936年〜40年あたりの資料を読むときはこの点に注意しないと、
イギリスのレーダー開発はよくわからん、という事になるわけです。
(ただし海軍のみかもしれない)



こちらも当時の(1940年代〜50年代)のRDF (電波方位探知機)など。

ヨーロッパの海戦で太平洋より進化していた数少ない分野が電波妨害、ジャミングです。
ドイツが1944年あたりから、無線誘導の対艦兵器を投入して来たため、
このジャンルの装備は意外なほど早くから開発が進んでました。
なので、この部屋にもその手の装備があったはずですが、残念ながら展示はなし。



たしかその上の階にあった長距離無線室。

前回紹介したのよりさらに遠くまで飛ぶ、あるいは遠くから飛んで来る無線のやりとりをする部屋。
恐らく本土を遠く離れた作戦行動中に使われたんじゃないでしょうか。

ついでに良く見ると左側にパソコンがあり、実はこの部屋は今でも現役です。
アマチュア無線の局になってるそうなんですが、そっち方面は疎いので、詳しいトコは不明。




で、その先にあった階段から、屋上に出ます。
実はまだ艦橋の上の階を見学してませんが、
なぜか順路的には、この屋上の後に見学することになります。


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