■艦橋の外部環境
という感じに艦隊司令部用の艦橋の見学は終了。
本来なら、この上にある航海用艦橋に行くとこですが、
順路では一旦外に出て、艦橋の2階テラス(?)から屋上に向かうことに。
そこに置かれていた2連装40mm機関砲。
破壊力的には十分ですが、艦前部にはこの銃座が左右各二つ、
計8門の機関砲があるのみ、後部に至ってはこの銃座が左右各一つ、計4門のみとなってます。
すなわち近距離用対空兵器は艦全体で40mm×12門のみ。
ちょっと少ないでしょう。
同時期(大戦末期〜1950年代)のアメリカ海軍の巡洋艦の場合、
少なくとも40mmだけで20門前後、下手すりゃ40門とかの装備になっておりました。
そこに20mm機関砲が加わわるわけですから、まさにハリネズミ状態です。
対空戦は狙って当たるようなものではなく、相手の進行方向に弾幕を張って、
そこに飛び込ませて撃墜する、というのが基本です。
(88mmクラスのドイツの対空砲ですら弾幕で勝負してる)
なので、絶対的なまでに数が足りないでしょう。
サイコロで6の目が出たらアタリ、という事なら、
一度に1個しか振らないのと、10個振るのでは、どっちが“アタリ”が
出やすいか、簡単に理解できますね。
さらにこの艦には対空射撃管制レーダーがないので、
その命中精度もあまり期待できなかったはずです。
4インチ砲と違い、この砲が目標とするのはせいぜい1000m以下の距離にいる目標ですから、
一秒でも早く命中弾を出さないと、相手に投弾の機会を与えてしまう事になるのです。
さらに加えて相手もよほどお人よしでなければ複数の機体で突っ込んできますから、
なおさら打つ手がありません。
1950年代の改装後でこれですから、イギリスは最後まで(現在も)近代海戦というのを
全く理解できてなかったんだろうなあ、と思います。
ちなみにこの砲の向こうに黒いカバーをかぶった塔が見えますが、
あれが多分、こちら側の対空砲の射撃管制所です。
対空射撃用の管制レーダーは積んでないので目視で対応してたんでしょうが、
この装備で、その射撃管制でどうやって近代海戦をやるんでしょう…。
反対側の40mm機関砲座は現在レストア中、
との事で空っぽでした。
そこから見上げたマストのレーダーやらのアンテナ群。
あれについては“夕撃余談”の“長距離砲撃者の孤独”の中でさんざん説明しましたから、
今回はパスいたします、はい。
そこから、また艦橋の建物内に戻る。
ここはさっきの艦隊司令室の裏あたりになると思うんですが、
この場所に電子戦のための装備の部屋があります。
ちなみに右の階段にあるMind
your
head の注意書きは頭上注意、
アタマをぶつけるなよ、の意味なんですが、
初めてこの注意書きを見たとき“お前のアタマ、大丈夫なの?”の意味だと思ってしまい、
なんでバレたんだろう、とえらくビックりしたものです。
そういやWatch
your step(足元注意)と言われて、自分の靴を見つめた事もあったな…。
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