■船内最大解放空間



さてそこで4インチ砲の写真を撮影してら、奥の方に人影が見えてちょっと驚く。
が、これもマネキン(笑)。
荒天時なのかカッパを着ながらタバコで一服してました



そこから反対側のに舷側へ行ってみる。

もうお昼を過ぎた頃のはずですから、観光用のボートなどもだいぶ出てきました。
奥に見えてるロンドン塔、近くからだと気が付きませんでしたが、中心にあるホワイトタワー、
この砦の中心施設らしく、他の建物よりアタマ二つくらい高くなってますね。



さて、こっちでは初期にここに積まれてた水上機の解説が上映されてました。
イギリス海軍の艦載機としておなじみのスーパーマリンのウォーラス(Walrus)ですね。
1933年に初飛行、複葉でプッシャー式(プロペラが後ろ向いてる)というどうみても旧式な設計ながら、
海軍はもちろん、空軍でも使われていました。
ちなみに空軍では戦後も使っており、もう誰も覚えてないでしょうが(涙)
二日目のロンドンRAF博物館の見学終了間際に見た機体がこれです。

なんで軍艦に飛行機がいるの?というと、載ってるとなんとなくカッコいいから、
そして砲撃戦で正確に狙いをつけるための着弾観測に、どうしても必要だったからです。
が、実は考えられていたほど役に立たないことがやがて判明、
さらにレーダーが発展することで、十分その代用となってしまい、
こんなんイラんやん、と撤去されてしまうのです。
燃料に可燃性の高いガソリンを使うってのもマイナス要因でしたし。
なのでイギリス海軍は第二次大戦中から撤去を開始、
ベルファストでは1943年末に降ろしてます。

ただし、着弾観測をレーダーでやれるのは派手に水柱が立つ海上砲撃戦の話。

地上相手に艦砲射撃をやる場合、水柱がたたないので、
一体全体、どこに弾が飛んで行ったのかよくわからず、
10kmも20kmも先の目標をボカスカ砲撃する戦艦、巡洋艦にとっては
そもそも命中したのかもわからん、という状況になってしまいます。
相手が陸上では駆逐艦などで偵察をさせるわけにもいかず、
どうしても航空機による観測が必要になるわけです。

が、幸いにイギリスの場合相手はドイツであり、
その海軍の作戦エリアには常に陸上基地から飛んでこれる航空機が居たのです。
ゆえにこの点は問題なし。

が、アホみたいに広大な太平洋で戦争をやってたアメリカ軍はそうは行かず、
しかも日本海軍なんてどこにも居なくなっちゃった大戦末期には
ほとんど上陸作戦を援護する艦砲射撃しか仕事がなくなってしまったので、
彼らは最後の最後まで、艦載機を積んだまま、となりました。

ただ、その手の作戦には最低でも護衛空母くらいは付いてきましたから、
実施の着弾観測はそっちから飛ばすことが多かったようです。
戦艦などの水上機は帰還時の回収が大変で時間がかかるので、
できるだけ使いたくなかったんでしょうね。



さて、そんな感じで上甲板の見学が終わったら、ふたたび下甲板、第2階層にもどりますよ。
まだ見てない部分があるんです、はい。



途中で見かけた部屋で、なんでもバッテリーの修理室だとか。
艦内には非常用を中心にかなりの数のバッテリーを積んでおり、
しかもこれがよく故障したんだそうで、その専用の修理室とのこと。

こんなの、現物の軍艦を見に来ないかぎり、絶対に知らないままだ、
という典型的な施設ですね(笑)。
やっぱり可能な限り現物は見ておいた方がいいな、と思うわけで。


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