■計算は愉快だ
一番奥、レバーのついた、キンキラキンの円筒形のものが
1890年に生産が開始された樽(Barrel)式計算機。
アリスモンテ(Arithmometer)式計算機の発展型として登場したのがこのタイプで、
いわゆるレバー手回し式の卓上計算機となります。
上の樽部分に数字を入力するツマミがあり、数字をセットしたら、
右側のレバーを回して計算します。
このタイプはスウェーデン人のWillgodt
Theophil
Odhner (読めない…)が発明、
これによって、計算機の大幅な小型化が成し遂げられる事になったとのこと。
後に、世界中でこの方式の計算機は作られる事になったそうで、
日本で普及してたタイガー計算機もこのタイプみたいです。
その樽式計算機の内部構造模型。
説明を読んでもよくわかりませんでした…。
上にあるのは、かなり後期の樽式計算機。
1890年代に開発された大型計算機、ミリオナー(Millionar)。
それまでの計算機では複数の操作が必要だった掛け算を、
初めて一発で計算できるようにしたのがこれだとか。
上にある数字入力レバーは9本のままですから、扱える桁は相変わらず9桁まで。
となると、掛け算のためだけに巨大化した、といえるわけで、
歯車で計算するのって大変なんだなあ、と思います、はい。
こっちはアメリカのモンロー(Monroe)社が1922年に発売した全自動計算機。
今度は割り算も一発でできるようになり、世界で初めて四則計算が
一度の操作で行えるようになった機械だとか。
+-のキーとか、ここまで来るとかなり近代的な感じがしますね。
これもその盤面が数字キーだらけなのは、各桁ごとに数字を入力するからなんですが、
これは、別に親切心とかではなく、
機械の構造的にこの形にするしかなかったんだそうな。
かなり後期になって登場したタイプの計算機の構造説明。
…でもやっぱり、よくわかりませんでした…。
そして1960年代に入ると、それまでの機械式から電気回路式への発展といった、
現代の計算機に繋がる動きが出てきます。
写真はイギリスのサムロック(Sumlock) コンピュータが開発した
世界初の電子計算機、アニタ(ANITA)の試作型。
例のイギリス初のコンピュータにして、失敗作に終わったコンピュータ、
ACE(先行試作型の方)の開発スタッフが造ったものだとか。
で、これ、電子計算機なのに数字のキーがずらっと並んでます。
機械式でない以上、このタイプにする必要はないのですが、
どうもこの形式があまりに普及してしまい、
テンキーとかでは売れないと判断されたためだとか。
後に小型化がテーマになるまで、計算機ではこのタイプのキーボードが
採用され続けたようですね。
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