■戦争をやるには広すぎる



H.M.S.モナーク。
とりあえず断り書きをつけると、イギリスの軍艦の場合、
H.M.S(Her Majesty's Ship/女王陛下の艦。国王の時代はHisになる)という修飾語も含めて
正式な艦名とされる事が多いので、この記事でも軍艦の名前の頭にはH.M.Sをつけます。

1911年に建造されたオライオン(Orion/オリオンの英語読み)級戦艦の一つで、
第一次世界大戦の海のメインイベントとなったユトランド沖海戦にも参加しるらしいです。
ちなみに1924年に退役となってますから、13年しか使ってないわけで、
この時代の戦艦の建造サイクルってすごいですね。

参考までに、このオライオン級に対抗する意味で建造された日本の戦艦 金剛(実はイギリス製)は、
この艦の翌年1912年建造で、艦齢30年で第二次大戦に参加ししてます。
世の中、どうなってるんだ(笑)。
…貧乏はつらいね…。

でもって、この船、ほかに取り立てて歴史的な活躍等も無く、
なぜここにあるのかはよく判りません…。



こっちはその一世代前の戦艦、1906年製のH.M.S.ロード・ネルソン。

第一次大戦中は地中海方面に配属され、1919年の終戦と同時に退役となってます。
これまた建造から、わずか13年しか使われてない。
でもって、なぜここに展示されてるのかもよくわからない(笑)。



イギリス最後の戦艦、H.M.S.ヴァンガード(Vanguard)。
この博物館の説明だと、1944年完成となってましたが、それは予定日だったような(笑)。

1944年に進水まではこぎつけたものの、1945年5月にドイツが降伏、8月には日本も、
という事になり、一気にやる気をなくしてしまって、完成、部隊配備は1946年にずれ込んでます。

まあ、この段階で戦艦で何をするの?といわれると皆困ってしまうところで、
当然、イギリス海軍も困ってしまい(笑)、
主に王族の皆さんが海外に出かける時の交通手段として使われたりしてました…。

1960年、博物館にしよう、という運動もあったようですが、そんな金は
とっくになくなってるイギリス海軍、これをあっさりスクラップにしてしまいます。

ちなみに、その直前、予備艦にされた直後に、
映画“ビスマルクを撃沈せよ(Sink the Bismarck!)”の撮影に使われたとの事ですが、
私、この映画観てないので、イギリス側の戦艦として使われたのか、
ビスマルクとして使われたのかはよくわからず。.



H.M.S.ミネルヴァ。
戦後、1966年に竣工したフリゲート艦だそうですが、当然、よく知りません(笑)。


NEXT